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内容説明
「自我の確立」と「無我の境地」。めざすべき人格のあり方はどちらか? 現代人は自我を強調するあまりエゴイズムに陥ってしまった。一方、無我とは滅私奉公であるとの、歴史的誤解への反省も、いまだ曖昧である。本書では、大乗仏教の唯識学と現代アメリカの哲人・ウィルバー思想、さらにスイスの発達心理学者・ジャン・ピアジェの理論などを手がかりに、自我と無我の本来的意味を整理する。「無我の空の関係」「自我とエゴイズムの違い」「未我→自我→無我の成長プロセス」などをわかりやすく解説。その上で、自我と無我の対立概念を超えた大いなる宇宙観(コスモロジー)を提唱。人間の心は誰でも覚りに到達する可能性を秘めていることを理論的に証明する。東洋宗教と西洋心理学を統合し、理想の人間性を追求した思想的メッセージの書である。まさに、日本精神史百年の葛藤を解消する好著である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Naota_t
3
★3.1/私にとって難しい内容で、全ての1割くらいしか理解できている自信がない。自我と無我の整理に普遍的妥当性を見出し、その浸透が国民・リーダーの倫理水準の向上に資するのが本書の狙いで、無我=自我中心性を脱したパーソナリティと定義するのが著者の考え。テーマの核心より、神学部では、各宗教などを体系的に整理し、そこから共通する考えを抽出することで本質に迫る学問なのだと再認識。仏教の中でも、無我を存在全体のことではなく人間の状態と混同したことが、WWIIの奉告主義への牽強付会につながったのは悲しい反省だろう。2023/07/04
shimashimaon
1
#kindle 再読。横山紘一著『阿頼耶識の発見』も併せて読んだ。著者の問題意識は「無我」が「滅私奉公」ではないという点を明らかにすること。唯識を学ぶことでアートマンは存在しないということがまた少し納得できるようになった。だが本書の主題はそこではないし、仏教が現代の諸課題を解決できると思っていないとも言う。無我の境地を目指してこそ見つけられる新たな自我。まだよくわからないが、横山先生が言う「一人一宇宙」を想起すれば理解しやすいかもしれない。そして内心の自由は完全に保障されていることも再確認した。2021/02/15
905
1
自我と無我は対立する概念ではないことがよくわかる。本当のグローバルという意味も見えてきた。後半はウィルバーの紹介みたいなもんだけど、ちょうどウィルバー自身が出たポッドキャストを聴いたとこだったので相乗効果で理解しやすかった。全体と部分の関係。階層構造は価値の優劣とは無関係。誰もが悟りに至れるということ。ただ、自分の襟首を掴んで自分を持ち上げようとするぐらいの難しさを感じるが。2020/03/28
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