漱石先生、探偵ぞなもし

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漱石先生、探偵ぞなもし

  • 著者名:半藤一利
  • 価格 ¥599(本体¥545)
  • PHP研究所(2016/11発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784569766591

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内容説明

夏目漱石は、探偵が嫌いだ――。『草枕』では登場人物の口を借りて、「探偵? 何の役に立つかの。なけりゃならんかいの」と、こっぴどくくさしている。しかし、2016年が漱石の没後100年、2017年が生誕150年という節目の年だと聞けば、漱石の義理の孫にあたる「歴史探偵」が黙ってはいない。本書では、漱石を“先生”と呼ぶほどに愛してやまない著者が、『吾輩は猫である』『坊っちやん』『草枕』『こころ』などの名作を、隅から隅まで深読みし、ユーモアを交えて解き明かしていく。●有名な一文、〈吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ〉の「頓と」とは? ●『坊っちやん』の「バッタ騒動」には明治日本への批判のまなざしが隠されている? ●門下生の一人、和辻哲郎に「遺した全著作より大きい」と言わしめた漱石の人柄とは? など、著者ならではの歴史的な視点をまじえて、名推理が繰り広げられる。文豪の知られざる素顔と、名作の新たな魅力を発見できる1冊。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kei

14
まず、端正な文章で読みやすいのに、居ずまいがただされる感じです。漱石の何周年記念で、様々な特集がありました。有名な作家や大学の先生方が様々な意見を。一応、私にも、虞美人草に関する考察があるんだけど。(笑)と、いうふうに、読者を探偵にさせる魅力が、漱石にはあります。原本に連なる周辺事情の読み解きは、身内兼編集者の作者ならこそです。久しぶりに、楽しい一冊でした。2017/03/13

Timothy

7
半藤氏の漱石先生本はとても面白いので是非手元に揃えてみたいが、あいにく版切れで新刊書店では手に入らないものばかり。特に一作目などはほんの5年前(生誕150周年)にはそこら中で山と積まれていた様子なのに、好きになるのが遅すぎたのだろうか。本書は唯一普通に買えたもの。漱石の使う当て字を調べるのは楽しそうだ。また最終章など、漱石の言い回しや俳句の背景にある漢文学を探偵するところも興味深く読んだ。「闌干に倚れば」といえば漱石自身の「唐詩読罷倚闌干…」を思い出す。高校の教科書に載っていた漢詩だ。2022/02/28

よし

6
前作に続き、漱石の人となりや名作にまつわる話を楽しく読めた。森鴎外や石川啄木とのエピソードや「坊ちゃん」・「我が輩は・・」の創作秘話も面白かった。「ある日の漱石山房」の章で、門下生たちとのエピソードは心温まった。また、「世の中をどのように暮らすか?」との問いに、「そうさね、マアふところ手して小さく暮らしたい。」など、漱石の素顔に共感。死ぬ20日前の漢詩「空中 独り唱す 白雲吟」は草枕の世界そのもの。そこに漱石の心の墓があると言った作者に納得。繰り返し読んできた漱石作品をもう一度、読み直したくなった。2017/06/04

イワハシ

5
漱石の義理の孫にあたる著者による、漱石作品に関するエッセイ。重箱の隅をつつくような話だが、面白く読めた。こういうのは好きだ。先行書があるとのことなので、遡って読んでみたい2022/05/21

Ryoichi Ito

2
「我輩は猫」に出てくる「行徳の俎」の話が興味深かった。江戸川河口の行徳は塩の大生産地だったが,大正6年の津波・高潮で壊滅。台風によるこの高潮は死者・行方不明者千三百人という大災害だった。2017/08/30

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