内容説明
用意周到に備えなければ、老後の暮らしが破綻してしまうと感じる日本人。いくら貯金があってもまとわりつく、老後への不安は、ますます強くなるばかり。対して、イギリス人の老後への思いは、なんとも大らかで、お金の心配とはほぼ無縁であった。日本人とは比較にならないほど、少ない貯金額にもかかわらず、である。彼らの生活ぶりを通して、イギリス式の中流老後を紐解き、お金に左右されない幸せな老後のヒントを探る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
15
まあ、社会背景やら福祉が違うので、なんとも比べようがないとは思うけど、今日を楽しく生きてお金も全て自分が使い切って子どもに寄りかからない。という自立した老後の生き方は参考になりました。2017/01/20
tetsubun1000mg
14
2017年に読んでいた本の再読でした。 遠い昔に見た「小さな恋のメロディ」の二人、マーク・レスターとトレーシー・ハイドを訪ねてインタビューする章が特に良かった。 年に合わせて変わったけど健康に暮らしていてなにより。 貯金500万で暮らせるらしいが、貯金350万円以下の国民は無料で介護施設に入れるというイギリスの社会福祉システムができ上っていることも一因ではないだろうか。2017/01/06
Humbaba
14
お金がなければ国が助けてくれる。それが当然のものであると考えているからこそ、必要以上に貯蓄しようとは思わない。そうすることで将来のことを思い煩うのではなくて今この時をどうやってより豊かにするかという問題に邁進する。それが国民全体で共有できているからこそ、老いることを忌避する事なく幸せな生活が送れる。2016/12/04
Humbaba
11
お金が全く無いというのは不幸のもとだが、お金だけが幸福を決定付ける要素という訳ではない。それ程お金をかけずとも、自分のやりたいことをやることで生計を立てていればその生活は自ずと幸福なものとなる。無意味に他社と比較せず、あるものをどう使うかを考えれば満ち足りた生活が待っている。2017/08/28
とよぽん
9
彼我の違いは、「イギリス人は今日を生き、日本人はリタイア後を考える」という考え方にある。リタイアは新しい人生の幕開けであり、様々なチャレンジの中に、高齢者同士の結婚や起業、ボランティア、孫の世話など、イギリス人は意志的でユニークな生き方を始める。自立して生きるイギリス人は、人生は長く生きることより質が大切だと考える。著者は自分らしい老後設計には「貯金より習慣」が大切だと言い切る。要するに、どう生きたいか、ということだ。2017/02/18