内容説明
全面核戦争を生き延びた情報技術者の田中翼と仲間は、ネット環境を求め荒廃した地上を探索する。〈セルフ・クラフト〉内では、世界の一画が虚無と化す謎の消失現象が多発していた。民主主義教を奉じる竜の高僧ミンドンは、始祖マイドンの墓の発掘調査から寺院に帰還してすぐ、消滅現象の対策のため総本山に呼び出される。すると寺に住む寺人(じじん)のエミカがなぜか同行を申し出て……奇跡のゲームが現実を変革する3部作完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
miroku
18
仮想世界は進化し現実世界を追い越して・・・。芝村SFを堪能♪2017/02/08
ぺぱごじら
16
かつて日本を守ったニート、次は新世界を創る架け橋となる、というお話(笑)。マジオペとハヤカワ刊の芝村著書は全部網羅して読みたいハードSF。第2巻がやや停滞気味なストーリーとぷっつり断線エンドだったので、やや我慢のいる読み進めになったが、結果この巻での爽快感が半端ない。しかしラストの二行に「ヒト」のどうしようもない性を感じる(苦笑)。2016-1232016/09/22
dorimusi
14
3巻完結。読んでる途中は不満というかあんまりおもしろいと思ってなかった気がする。特に中盤までは。で、読み終わったらめっちゃ満足してた。そーゆー手段で現実戻るか!外と中の時間差もだけど予想外の解決策でした!! 唯一疑問だったのは、その時点で地上に出たらあっとゆーまに死ぬのでは?ってことくらいかな。まぁでも限定した時間しか地上に行ってなさそうだし以外と大丈夫かも。 この巻の恋愛要素が一番気にならなかった。カトーをチート化させたのはファインプレーだったかと。結果論ですが。 なんだかんだと楽しかった。2021/12/22
ぺぽかぼちゃ
10
面白かった。 淡々とすごい自体が進んでいくSFもの。さらっと通り過ぎるけど、名言の宝庫。「我々は生き物だから生きるよ」。こんな世界も来るかもしれないというワクワク感と、熊本弁の魅力を伝えてくれる2017/05/18
彼方
9
全面核戦争で荒廃した地上。同時にセルフ・クラフト内でも世界の画一が虚無と化す消失現象が多発していて…完結。遥かに加速した異世界の技術に未来を託された現実世界、今回は竜の僧侶が語り手なだけあって異なる進化を遂げた価値観や受け継がれる民主主義と、お堅いしんどい部分もありますがやっぱり面白い。皆が終結して辿り着いた結末はまた壮大なもので、エリスに類似したエミカの謎や細かい技術革新、色々と変わったその後をあれこれも含めてエピローグがもっと読みたかったな…。丁寧に作られ見事に収束したSFファンタジーでした。2021/06/17