内容説明
市役所建設課に勤める新米女子職員の千秋はある日、給湯室で不思議なものを目にした。歌をうたいながら踊る着物姿のおじさん――驚くべきことに、その身の丈は15センチほどしかない。孤独な人にだけ見える、小さい(だけどへそまがりで態度はやたら大きい)おじさんの力を借りて、5年前の殺人事件の謎解きに挑む千秋だったが……。史上もっとも凸凹なコンビで贈るミステリ、誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chimako
82
図書館のブックリサイクルで手に入れた1冊。表紙のおじさんが野口英世みたいで物語の面白さを連想させる。市役所の新人公務員 千秋と市役所別館の給湯室に居すわる小さなおじさんが活躍するミステリー。もっとバタバタのコメディかと思ったがミステリーの部分がなかなかシリアス。二人が協力して真犯人を追う。小さなおじさんはひとりぼっちの人にしか見えないらしい。私には見えるかな?大酒呑みのおじさんの普通の毎日をもっと読んでみたかった。2019/06/28
りょうこ
56
まず表紙が可愛かった(笑)小さなおじさんが何かとお酒を飲んでは黒田節を歌い..猫に乗り...と役に立ってるのかたってないのかよくわからなかったけど(笑)最後に良きアドバイスをくれた!そして最後はいい意味でちょっと泣けた。面白かったです!2016/06/06
baba
47
給湯室で新米市職員の千秋の前に現れた15センチのおじさんは孤独の人にしか見えない。一升瓶で酒を飲み、黒田節を踊るおじさんと千秋の掛け合いが面白い。最後はちょっと寂しいけど病院の待合時間には丁度良いのんびりした話しでした。2016/07/08
優希
42
小さいおじさんは孤独を抱えている人にしか見えないのですね。千秋は偶然15センチほどの小さいおじさんを目にします。そして。何故かコンビを組んで殺人人事件の謎解きに挑戦するのが面白かったです。最後消えたように思える小さいおじさんですが、見えなくなっただけだと思います。千秋はもう孤独ではないのです。2023/09/08
yamatoshiuruhashi
42
まあ推理小説。そこにお得意の不可思議現象の幽霊。「小さいおじさん」とおちゃらけているが、かつて幕末期に生を受け家庭も顧みず一代で財を成したが、その全てを公園にした男の「怨霊」である。本人は怨霊というがあまり怖くない。自分が作った公園を潰して清掃工場にした市長を恨み、60年。色々考えが変わって桜の公園を再興した市長が出たら取り殺してやろうと考えている。なんで、再興したら殺さなきゃいけないのか。本筋はそこではなく、公園の隣接の病院で起こった殺人事件の謎解きであった。怨霊が絡まなければ余りに単純な謎解きとなる。2021/09/30