雨のなまえ

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雨のなまえ

  • 著者名:窪美澄
  • 価格 ¥594(本体¥540)
  • 光文社(2016/09発売)
  • ポイント 5pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334773304

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内容説明

女は小さな声で、マリモ、と言った――。家具ショップで働き、妊娠中の妻と何不自由のない生活を送る悠太郎。ある日店に訪れた女性客と二度目に会った時、彼は関係を持ち、その名を知る。妻の出産が迫るほど、現実から逃げるように、マリモとの情事に溺れていくが……。(「雨のなまえ」)答えのない「現代」を生きることの困難と希望。降りそそぐ雨のように心を穿つ5編の短編集。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

おしゃべりメガネ

217
窪さんらしいリアルなエロさが漂ってる短編集です。しかし、作品によっては東日本大震災を絡めているので、なかなかシリアスな雰囲気にもなっています。個人的にはやっぱり窪さんは短編集がステキかなと。シングルマザーの苦悩や学校教師のトラウマ、どこか行き場所のない哀しみを抱えた登場人物達が儚いです。こういう作品、読んで決して元気にはなれないかもしれませんが、今自分が置かれている環境の’平凡’さのありがたみを改めて感じるコトができますね。人を大切に、そして何より自分をもっと大切にしなければいけないと思わせてくれます。2018/04/29

さてさて

183
『ユキや戸紀子のような、いじめられる女の子になぜだかひかれていくのは、大きな声では言えない自分の性癖のようなものなのかもしれない』。そんな主人公の内面を描いていく短編など5つの短編が収録されたこの作品。そこには、決して晴れることのない薄暗い世界の物語が描かれていました。窪美澄さんらしい、男女の”行為”の場面の頻発に周囲を見回してしまうこの作品。『いじめ』を描いた短編が収録されていることに注意を要するこの作品。文庫本268ページとは思えない重さを後に残す物語。『雨』の描写にどこまでも薄暗さを感じる作品でした2025/10/17

じいじ

143
『よるのふくらみ』を読んで、その巧さにやられた窪美澄。本作は5編の短篇集、各々の趣が違って味わい深い良作で面白い。とりわけ、冒頭の表題作がずば抜けて印象に残った。この作品だけ異質の風合いを感じた。妻が妊娠中にもかかわらず浮気する夫、退廃的で醒めた男にイラつきながらも、何故かぐいぐい引き込まれてしまう。この短篇を読んで思った。―「この作家、巧いなぁ!」と。その他、息子と夫の弁当を作りながら、夫でない男との情事を妄想する主婦。年齢の老いを悔いながら葛藤する女…。複雑に揺れ動く女の心情が見事に描かれています。2017/08/23

新地学@児童書病発動中

118
やるせなく、暗い短編ばかりで後味が良いとは言えない。でもこの暗さが窪さんの持ち味だろう。性的な描写が多いのも他の作品と共通するところだ。「記録的短時間大雨情報」に書かれる女性の孤独と心の痛みは、こちらの心の一番柔らかいところに突き刺さってくる。「ゆきひら」が一番好みの短編。男性にとってはぞっとする結末だが。いじめられている自分の好きな女の子を、見捨ててしまった男性教師の苦悩が、リアルに描かれている。最後の「あたたかい雨の降水過程」では、最後でわずかに救いが示されて、ほっとした気持ちになる。2017/07/02

ベイマックス

107
5つの短編集。4つ目の『ゆきひら』は最悪な内容で最悪な結末でした。不快で、最後の話しに読み進む気がしなくなるほどでした。◎『記録的短時間大雨情報』は、バイトの柏木のちくりがムカつく。行き違いや誤解は仕方ない。他人に言うのは最低。男女とも既婚者でもいつまでもかっこよく・美しく、あろうとした方が素敵だと思う。◎生きにくい世の中の愚痴に焦点を当てすぎても辛くなるばかり。2021/06/21

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