ちくま新書<br> 古墳の古代史 ──東アジアのなかの日本

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ちくま新書
古墳の古代史 ──東アジアのなかの日本

  • 著者名:森下章司【著】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2016/09発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480069108

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内容説明

紀元前一~四世紀の中国・朝鮮・日本。この時代の東アジアでは、中国の影響を受け、朝鮮・倭など周辺地域において、大小の「渦巻」が発生するごとく社会が階層化し、やがて「王」と呼ばれる支配者が登場する。その状況を最も雄弁に語る考古資料が「墳墓」だ。領域の明確な境界も形成されていなかった時代、ひととものが往来し、漢文化が大量に流入する一方で、東アジア諸地域の「ちがい」はむしろ拡大の方向へと向かった。明白に存在するそのちがいとは? それは何から生まれたのか? 最新考古学の成果に基づき、古代アジアのグローバリゼーションとローカリゼーションに迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

はるわか

23
紀元前1~4世紀の中国、朝鮮、日本。墳墓、銅鏡、王墓(3~5世紀)。「交流」の進展は「同化」ではない。楯築墓(吉備・倉敷)の卓越性。西谷墓(出雲)、赤坂今井墓(丹後)、2世紀後半~3世紀前半には畿内以外の各地で先行して大型墓の発達。平原1号墓(北九州・糸島・伊都国)、銅鏡大量副葬。纏向遺跡(大和)の巨大集落。青銅祭器の終焉。箸墓古墳(大和)、定型化した前方後円墳の登場(3世紀中ごろから後半)、大和・河内・和泉に大型前方後円墳。2世紀後半の倭国乱。卑弥呼の共立。3世紀の邪馬台国と狗奴国の抗争。2017/02/03

niwanoagata

21
非常に良かった。著者を知ってるのもあるが、古墳の専門向けの一般書としてはかなりいい方だと思う。まず特徴として、日本の古墳を検討するのに、東アジアという地域で捉え、中国本土や朝鮮半島の古墳や遺跡、出土品の分析をし、日本との「つながり」と「ちがい」について知れる。栄山江流域やについては軽い知識しか無かったのでとても勉強になった。日本の古墳好きでも恐らく中国や朝鮮に詳しい人は少ないと思うので読むべき一冊。陵園など中国や朝鮮の遺跡を知ることで古墳とは何たるかを今まで以上に考えることができると思う。2020/06/03

月をみるもの

9
韓半島にも、前方後円墳があるとは知らなんだ。。 http://blog.livedoor.jp/bungchanblog-kodaishi/archives/2504635.html2018/08/14

kawasaki

8
2016年刊。考古学の視点から、紀元前1~後4世紀頃、古代日本列島や朝鮮半島に多様な「地域社会」が出現し、やがてそれらをまとめる王権が出現していく時期を描く。中心的に扱われるのは東アジアの王墓(青銅器やガラス玉など交易についての話もある)。王墓の変遷やバリエーションを比較検討したうえで、倭の古墳(や倭社会)の特徴・性格を指摘。文章は柔らかくて読みやすく、近年の研究で見える世界が一望できる。柔らかさという点では、所説を引いている(戦後の)研究者が皆「さん」付けなのもこの本の特徴? コラムも興味深い。2020/10/28

nori_y

8
古墳初心者です。しかし楽しく読めました。当時の中国や朝鮮半島との関わりなどにますます興味が湧きますね。中国の陵墓と日本の古墳の違いとか、面白い。死生観の違いですよねえ。2017/05/14

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