内容説明
中国の全人口13億の7割を占める農民。独特の戸籍制度によって固定された低い身分、そして都市住民の月収にも満たない年収に甘んじてきた彼らが行動を起こし始めている。貧富格差が急速に拡大し続ける今、農村での暴動や中央政府への抗議行動は鎮まる気配を見せない。中国のアキレス腱ともいうべきこの問題にスポットをあて、中国駐在10年のジャーナリストが現地取材によって明らかにする、中国農村事情と中国共産党の苦悩!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うたまる
1
「中国の農民問題とは結局、彼らが公民権を認められていないことにつきる」……”二等公民”として公然と身分差別される中国農民についてのレポート。いや、これは想像以上にひどい。一言でいえば、党幹部や都市住民を潤すための奴隷そのものだ。でも問題はそう単純じゃない。大躍進での餓死を招くほどの怠業、文革での私刑、現在では毒野菜の供給を行っているのが彼ら農民なのだ。風向きが変われば、彼らも嬉々として搾取する側に回る。つまり、イデオロギーや政治体制や法律が中国人を不幸にしているのではない。中国人が中国人を不幸にするのだ。2017/05/03
ちび丸
0
★★★☆2015/10/13
TEDDY曹長
0
中国が危機を迎えるとするならば、沿岸部と内陸部の経済格差だと考えていたので我が意を得たりと思う本でした。でも、相当中国の内陸部って苦労しているんだな。こう言う農民の不安を政権批判へ向けさせない為に反日教育を行うと言う理由とか位置づけがよく理解できました。ご一読をすすめます2012/04/23