内容説明
「そんな結婚、許さない」「ママの介護をするのは当然。娘なんだから」「私が死んだら墓守は頼んだよ」…。そんな期待に押しつぶされそうになりながら、必死にいい娘を演じる女性たちがいる。それが「墓守娘」だ。なぜ母は娘を縛るのか。なぜ娘はNOと言えないのか。膠着した関係から脱出するには。当事者の証言を元に具体的な解決を見出す、かつてないほど希望に満ちた書。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
112
タイトルが凄いな!墓守娘かぁ。墓守息子はどうなる?実家のお墓は多分、地元に嫁いだ私が守るのだろうな・・でもその後はどうなる?これからの世の中、少子化だし、お墓ってあると困るね。この本で全てを片づけた気になってはいけない。娘でもあり、母でもある私が云うのもなんですが、お互いに持ちつ持たれつで過ごした年月なのだから、徐々に距離をおいていきたいなとは思うのだが、そんなに甘い関係ばかりでは無いのだろうなぁ。気付かずとも子供に依存してしまい負の連鎖になるのだろうか?答えは永遠に見つからないのかも(汗)2015/10/20
青蓮
109
再読。母親と娘の関係はどうしてこんなにも複雑で難しいのか。私の中で「母と娘」は永遠のテーマだ。私も「墓守娘」だから。母に苦しめられる娘のルポが生々しい。娘を追い詰める「母親」の徹底的分析、緊密な母と娘の背後に浮かび上がる「父親の不在」など、興味深い。振り返ってみれば私の家庭において父親の存在は希薄だった。それが全ての原因ではないにしろ「墓守娘」が生まれるある一定の条件であることは間違いないようだ。「母親」から逃れるためには様々なプロセスを経なければならない。それは茨の道だ。その先に希望があると信じて歩む。2016/07/22
扉のこちら側
60
初読。5年ほど前に著者の講演会に行ったことがある。その時耳にしたエピソードなどを読めた。我が家にも課題はあるな。2013/10/13
ちゃとら
53
以前、興味を持ち購入したまま積んであった本。臨床心理士の信田さん、思った以上に辛口だった。母の娘に対する支配。家庭内のバランス。確かに親子でも相性もあると思うが、読了感はズーンでした?2019/01/20
*すずらん*
33
とても勉強になった。読み終えると、本が付箋だらけだった。纒綿といった画数の多い字体でしか表せられないような、絡みつくような母子関係に、父親の不在・社会的背景があるとは思ってもみなかった。この問題は心理学だけではなく、女性学や社会学も絡んでくる 非常に複雑な問題なのだということがわかった。2013/01/20