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内容説明
中国残留孤児2世の成長と恋愛を通して戦後日中の実像が浮かび上がる、講談社ノンフィクション賞受賞の不朽の名作『小蓮の恋人』、90年代、女子高生の援助交際を「子供仕様のバブル」と捉え、団塊ジュニア世代の青春のダークサイドにフォーカスした傑作『十四歳』、本にまつわるエッセイほか、井田真木子の取材方法や執筆の裏側が明らかになる貴重なインタビューなどを収録。
目次
ノンフィクション長編(小蓮の恋人 新日本人としての残留孤児二世;ルポ十四歳 消える少女たち)
エッセイ 本について(小さな角の空間よ、再び;古本の街に住んだ頃 ほか)
詩(街(抄録))
インタビュー/座談会(インタビュー 世の中のキーワードを崩すのが私の仕事;インタビュー 私は目 ほか)
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パブロ
11
青本は中国残留孤児2世を「恋愛」という事情から掘り下げた『小蓮の恋人』と、援助交際を「子どもたちのバブル」として切り込んだ『14歳』を収録。よくもまあ書く題材、書く題材、取材対象者に体ごとぶつかっていったよな〜。そりゃ〜、早死もしますわな。第1集の感想で「沢木耕太郎に似てる」って言った人が多かったけど、取材方法が全然違うよ。あくまでも沢木は客観的だけど、この著者は自らを燃やしていった感じだもん。生きていれば還暦手前。沢木のようにフニャフニャな小説を書いていたのかな〜。この人の文章をもっと読みたかった。2015/06/17
OHNO Hiroshi
6
「小連の恋人 新日本人としての残留孤児二世」「ルポ14歳 消える少女たち」ノンフェクションの取り上げる題材に、読む方が興味ない場合、いかに読ませるかが 重要だ。惹きつけるものが必要だ。読んでいて、のほほんとして、次に読む予定の本を隣に置いてしまった。2016/01/29
ソウ
3
一つの作品(いや、これらはやっぱりどう考えても作品やろ)を書き上げるクセがスゴイ、とんでもないエネルギー使っとる、割り合わんやろっ!?こう思わず感じてしまった自分が経済的合理性至上主義的でクソやな。井田真木子のような人間を十分に食べさせて自由に活躍させられるようなおおらかな世の中カモン、無理か。ただただ徘徊してるだけ、私は「私」から始まらない、にもかかわらず、取材対象に対して状況介入的、「私は目である」。惜しい、惜し過ぎる。2020/08/26
佐藤一臣
3
特に「小蓮の恋人」は、よくぞここまで中国残留孤児の気持ちを丁寧に描けたものだと脱帽です。 小説と言っていいくらい心情が的確に表現されています。 また、彼等の生い立ちに至ってもよく記憶をひもといたと感嘆します。 取材者としての井田真木子さんの能力の高さがなせる技でしょう。2015/06/08
JunTHR
3
改めて、井田真木子の著作が復刊したことの意義!!絶版にしていた業界の罪!!!まったく未知の作家をこの著作撰集で知り、ここまでハマるとは。中国残留孤児二世の里帰りに同行する『小蓮の恋人』、17才の少女をアメリカに連れて行く『ルポ 14歳』、どちらも文句無しの傑作。状況介入という手法、「目」となり記録していく観察力、そして圧倒的に読ませる筆力。夭折したことがあまりにも惜しいと思わずにいられない才能。天才天才天才。2015/04/16