内容説明
ドゥルーズが美術を論じた唯一の書にして80年代で最も重要な著作のひとつが新訳で復活。「器官なき身体」の画家としてのベーコンとともに新たな哲学をつくりあげる名著
※電子書籍版には絵画の写真は収録されておりません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
79
ドゥルーズによるフランシス・ベーコン論の新訳。いとうせいこう奥泉光の対談本「小説の聖典」から手に取る。対談本にあった、芸術とはなにかを確認。パウル・クレー曰く「みえるものを描写するのではなく、みえるようにすること」、感じられないものを感じられるようにするのが芸術であると。そのそれぞれの試み、セザンヌ、ゴッホ、そしてベーコンと。紋切り型を脱する彼らを論じるには必然的に難解になってしまう。だが非常に刺激的な本でぜひ購入を考えたいと思った。2017/10/12
やいっち
19
読了。ほとんど理解できなかった。粗暴、狂暴、炸裂する心身。それでいて、にじみ出る詩情。この詩情が醸し出されているがゆえに、野蛮なまでの絵の未熟さ(技術の未熟ではなく、生半可な成熟を拒み続ける、その強靭さに注目している)にもかかわらず、つい見入ってしまう2018/05/26
Bartleby
9
哲学者ドゥルーズによる画家フランシス・ベーコン論。とはいえ本書の本当の主題は「器官なき身体」という概念。有機体の体制から逃れ、生成変化の途上にある身体。さてベーコンの作品の特徴のひとつは、具象画と抽象画どちらにも偏らないように、絵の具を投げつけたり、複数の写真イメージを用いたりして偶然性を利用するところ。ドゥルーズはこうしたイメージを「図像」と呼ぶ。図像は意味、物語、説話をすり抜ける。そしてこの図像を生み出す装置を「図表」と呼ぶ。要するにイメージを音楽に近づけたいのだろう。「[音楽]は身体をその惰性から…2022/10/06
wadaya
6
ベーコン論ではない。芸術とは何かという問いに「輪郭」を示した本である。僕は今、頭の中の思考を一度捨て去るところからこの文章を書いている。本当はデジタルコードに変換せず、手が自分の意思で動くままに書きたかった。本質を超噛み砕いて書く。細部にこだわると見誤る。芸術は脳の仕事ではないんですよ、と言っている(笑)我々は芸術作品を観て言葉を失う。それがどういうことなのかを言い表した哲学である。僕の言葉で表現すれば、作品に意味など無い。ただ「受容体があるだけ」である。「器官なき身体」を貫いている。歴史的名著だと思う。2017/11/19
🍕
4
イノケンティウス十世の叫びをカオティック・ハードコアのように論じていた2021/02/21
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