ちくま学芸文庫<br> 分裂病と他者

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ちくま学芸文庫
分裂病と他者

  • 著者名:木村敏【著】
  • 価格 ¥1,485(本体¥1,350)
  • 筑摩書房(2016/08発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784480090898

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内容説明

精神病理から人間存在の本質にいたる思索をさらに深め、分裂病者にとっての「他者」の問題を徹底して掘り下げた木村精神病理学の画期をなす論考。ハイデッガー、西田幾多郎らに加え、デリダ、ラカン、レヴィナスなどの構造主義と正面からわたり合い、自己と他者との関係のありかたを「あいだ=いま」という本質的な項を媒介として見つめ直す。研ぎ澄まされた治療感覚をもって、患者の生き方を知覚し、治癒をめざして真摯な長い対話を重ねる著者の思策と営為。今、「臨床哲学」の地平が開かれる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

うえ

7
「われわれに最後に残された問題は、自己および他者の主体性の問題である…主体性の問題を扱った禅の公案として、『碧厳録』の、迎山慧寂と三聖慧然との問答がある…西谷も指摘していることだが、古来いかなる文化においても、名前と主体とのあいだには不可分の関係がある。万葉の時代には、相手の名を問うということは求婚の意味をもっていたし、戦の場では互いに名乗りあうことによって名誉ある人格どうしの一騎討ちが宣言された。われわれはまた、レヴィストロースが報告しているナンビクワラ族の、名前に関するタブーのことを思い出してもよい」2021/09/01

マープル

5
精神科医でもあり、また哲学者といってもいいであろう著者の論文集。「あいだ」という概念を鍵にして、精神医学の世界から人間存在の核心へと突き進む強靭な思索力にはいつもながら圧倒される。他者とは何か、わたしとは何か、そして人間とは何か。異常と呼ばれる状態を経由することで、自明と思われているものごとの「ありえなさ」が明らかにされる。2009/09/21

たなか

3
木村敏の本のなかでも特にオススメしたい本です。 他者論に踏み込んだ名著。 ラカンの構造主義的問題点を明らかにしています。 また行為的なノエシス、存在論的差異の動きをラカンの欲望に対応させています。 そのため本書で木村敏が参照したラカンが初期~中期であることが確定できます。 じつはラカンは後期になるとそれまでのゲーデル的構造主義から一変し、木村でいう行為的ノエシスへとパースペクティブを変更してゆきます。 そのため木村の共通感覚やノエシスの理論は後期ラカンにおいては欲動と享楽に対応するものです。 2023/06/29

Masabumi Shirai

3
ハイデガーやラカン、西田幾多郎、フッサール、 道元の正法眼蔵や、カントの純粋理性批判など読んでから読むと更に理解が深まるので、また読もうと思う。2019/11/30

yozora

3
ラカンを乗り越えてるところがよかった。こういう根本的な分析とそれにともなった明瞭な叙述があると、分裂症理解に関して一歩接することができるように思う。2014/06/17

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