内容説明
奇才・井上ひさしと山藤章二がコンビを組んで挑むは『東海道中膝栗毛』。古今東西の資料をひもときながら、歴史はもちろん、日本語から外国語、果ては下の話まで、縦横無尽な思考で東海道を駆け巡る!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
321
一九の『東海道中膝栗毛』のパロディ小説だと思っていたが、実態は江戸後期の旅に纏わる諸々の事柄を考証したもの。こういう井上ひさしもあるのだなというのが全体を通しての感想。「お蔭参り」から飯盛り女の呼称方言など、よく言えば縦横無尽、また見方によれば脱線続き。考証としての価値はあるだろうが、期待していた井上ひさしの口調と文体を楽しむという風にはいかなかったのはまことに残念。2018/12/29
saga
29
冒頭の五十三次ポルノ版で「もしや?」と思ったら、やはり筒井康隆氏との親交がある著者だった。しかし、回が進むにしたがって、だんだんアカデミックな内容になっていく筆致。「五人組帳の裏返し」で、十返舎一九の『膝栗毛』を文学ではなく、江戸の庶民を仮想の旅で楽しませる娯楽本と論破しているのが気持ち良い。日常生活と旅は、表と裏、正と邪、聖と猥というのが胸にすとんと落ちる。2018/12/18
hirayama46
6
東海道中膝栗毛を元にして様々な話題を繰り広げるエッセイ集。わりと軽めのエッセイながら、井上ひさしの資料蒐集に対するこだわりから、かなり踏み込んだ内容になっており、江戸の文化や言語学的な知識などがあればより深く楽しめたのかな、と思いました。仕方がないことではあるのですが、山藤章二の挿絵のセリフ部分がページにまたいでしまっていて読めなくなっていたところが少しだけあったのは惜しい。2025/03/19
tecchan
2
50年程前に出版された井上ひさしの傑作。東海道中膝栗毛をもじりながら、江戸期の旅、言語、さらには下の話まで縦横無尽に描く。著者の博学が際立つ。2025/10/30
ばん
2
時々「何を書いてるんだ(-_-;)」という部分もありましたが、おかげまいりなど「なるほど、そういうことだったのか」と思いながら読んでいました。江戸時代において、旅というものが特別で、旅人たちの心情もまた特別だったというのがよくわかりました。2015/02/28
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