内容説明
尼崎の下町で皮膚科を開業する中年医者、吉水三太郎。子供たちは、学園紛争の後遺症で、いまだに内ゲバにまきこまれたり、高校を中退してシンナー遊びに走ったり。それに一喜一憂する妻の玉子。そんな中で、杓子定規な校長や無責任な親子関係論をブツ教育評論家に腹を立てながら、人生の喜びを味わっていく三太郎博士の眼を通して、本当のやさしさとは何かを考えさせるユーモア長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Umebachi
1
おせいさんの夫婦悲喜こもごも話。主人公たちと一緒に怒ったり笑ったり。そんな中にチクリと鋭い世相批評があるところがおせいさん節のいいところ。良質な小説。2016/01/08
miyamo
0
◎2016/11/24
eleking
0
800ページ超の大長編と呼べる長さだが、子育てを終えかけた中年医者夫婦の日常が淡々と描かれるのみで波瀾万丈な何かがあるわけではない。それでも軽妙な語り口に誘われるようにすらすら読めてしまう。で、軽くて何も残らないかというと思いのほか骨太な読後感。ずっしり受け止めました。2015/07/14
ayaeh
0
夫と妻、それぞれの視点で、昭和の真ん中頃の家族を捉えた作品。田辺聖子の小気味好い関西弁の会話と、主人公ののんびりした子育て感がなんだかマッチ。やっぱり夫婦だよな、て思ったり、男と女がそれぞれにダメ出しされている様は、読者の気持ちも行ったり来たりさせる。大吉は果たして更生するのかしらん。2015/06/28
コノヒト
0
良えなぁ、半仙。その根本に人生を肯定的にとらえているのが感じられるから、三太郎に共感し、また憧れながら読み続けた。昭和のテレビのホームドラマみたい。大人の娯楽小説。大人のというのは、中年のという意味で、二十歳やそこらで読んでてもピンとこなかっただろう。随所に語られる、男というものは…女というものは…を自身の身辺と照らし合わせたら、思い当たる節ばっかり。2021/08/16
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