内容説明
許せない他人への贔屓。その一方で密かに願う自分への贔屓。寵愛、馴染、タニマチ、常連、自担、推し…と次々に変容する日本の「ひいき」。対象への並外れた愛情を表すこの現象は日本独自のものと言えるのか。学校や会社といった身の回りの人間関係から、アイドルほか芸能界、野球などのスポーツ界、芸術や文化の創造者、そして政治家の世界まで、なぜ人は人に過剰な愛を向けずにいられないのか。また、ひいきは人だけにとどまらず物にまで及ぶ。『「いき」の構造』(九鬼周造)、『「甘え」の構造』(土居健郎)に連なる画期的論考。
目次
第1章 「ひいき」とは何か
第2章 「ひいき」の文化的基盤
第3章 相撲の贔屓と廓の馴染
第4章 判官贔屓の深層心理
第5章 贔屓から推しへ
第6章 集合的沸騰としての贔屓
第7章 常連と一見
第8章 依怙贔屓の正体
著者等紹介
島田裕巳[シマダヒロミ]
1953年東京都生まれ。作家、宗教学者。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。放送教育開発センター助教授、日本女子大学教授、東京大学先端科学技術研究センター特任研究員を歴任。現在、東京女子大学、東京通信大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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