内容説明
凍てつくような寒さの未明、スウェーデンの小さな谷間の村に足を踏み入れた写真家は、信じられない光景を目にする。ほぼすべての村人が惨殺されていたのだ。ほとんどが老人ばかりの過疎の村が、なぜ。休暇中のヘルシングボリの女性裁判官ビルギッタは、亡くなった母親が事件の村の出身であったことを知り、一人現場に向かう。事件現場に落ちていた赤いリボン、防犯ビデオに映っていた謎の人影……。事件はビルギッタを世界の反対側、そして過去へ導く。刑事ヴァランダー・シリーズで人気の北欧ミステリの帝王ヘニング・マンケルの集大成的大作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
314
北欧ミステリーとして人気があるヘニング・マンケルの刑事ヴァランダー・シリーズとは別の独立した作品。冒頭で、いきなりスウェーデン北部の寒村で起こった、村人のほぼ全員を惨殺する事件が提示される。この上巻では、第1部がヘッシュヴァレン村での展開(さほどの進展は見せないが)、そして第2部ではいきなり150年前のアメリカ西部で新たな物語が始まる、という構成である。いずれこれらは有機的に結びついていくものと思われるが、なかなかに遠大な構想を持っているようだ。主人公のロスリン(女性裁判官)をはじめ、登場人物たちは⇒2024/08/31
ケイ
137
ある冬の朝、スウェーデンの過疎の村のほぼ全ての人が殺された。残忍なやり方で。活躍するかと思った女性刑事は無能に見え、ミッドライフクライシスの渦中にある女性裁判官は自らの系譜から独自の推理をする。マンケルが荒唐無稽な因果関係を理由にするとは思えないが...、どうなんだろ。2018/08/21
ふう
86
凄惨な事件、陰鬱な人間関係。そして、想像を超える時間と距離が織り込まれたつらい物語です。北欧ミステリーによくあるように、事件を追う側も個人的な問題や悩みを抱えていて、重ねて重い気持ちになります。でも、おもしろくてページをめくる手が止まりませんでした。キッチンドリンカーならぬキッチン立ち読み。これ以上ひどいことが起きないようにと願いながら(下)に行きます。2018/02/11
巨峰
83
スウェーデンの寒村でおこった村民の大量虐殺事件。生き残った村人に共通点はあるのか。村にルーツのある女性裁判官の追及が始まる。この作家らしく多くの謎が語られており、推理物というより大河小説の様相 2019/05/05
NAO
68
スウェーデンの寒村で起きた惨殺事件。その村に縁のある女性裁判官が個人的に調査することで、事件の見えない部分が明らかになっていく。スウェーデンの事件とは全く関係なさそうな、19世紀の貧しい中国人農民の壮絶な人生を描いた挿入部分が、事件とどのように関わってくるのか。何とも重い社会派ミステリ。2024/01/03
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