内容説明
「女ことば」と「日本女性像」という2つの着眼点から、日本語教科書の中に、いかにジェンダーが潜んでいるか、それらが現代日本社会の現状を正しく反映しているかどうかをデータ分析結果の比較から考察し、さらには今後の日本語教科書のあり方を述べる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
menocchio
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女性文末詞「わ」「かしら」「よ」を女性たちが使わなくなってきている。にもかかわらず,TVドラマや教科書のなかではいまだに多用されている。それらを定量的な分析から明らかにする。また,日本語の教科書が社会の変化を反映せずに女性像・家庭像のステレオタイプを強化しており,それは学習者に誤解を与えかねないとする。日本語教育の実務に携わってきた当事者ならではの指摘は重い。我々がいかに「隠れたカリキュラム」の刷りこみを受けていることか。さいごに,教科書のあり方について提案がされるが,細やかな配慮に富み画期的だ。2016/09/29