内容説明
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西洋数学伝来以前に日本で栄えた数学,和算.関孝和に代表される和算は,江戸時代に突如出現したのではなく,2000年を超える蓄積の上に成立したものである.本書では,和算の源流を中国数学に求め,それが日本でどのように受容され,日本独自の発展を遂げることになったのかを,時間的,空間的に比較して,和算のパラダイム変遷の過程を読み解く.最終的に西洋数学に置き換えられることになった和算.その興亡史は何を教えてくれるだろうか.
目次
序章 和算とは
一 和算の定義
二 和算の時代区分
第1章 和算の源流――北中国数学と南中国数学
一 鶴亀算(算木の規定 鶴亀算の解き方①――代数 鶴亀算の解き方②――仮定法)
二 平方根と立方根(張家山遺跡で発掘された『算数書』 盈不足術(盈?術)による平方根の近似値 新しいパラダイムとなった『九章算術』 開平方術 二次方程式(開帯従平方) 開立方)
第2章 三平方の定理と円周率――「古代」数学パラダイムの完成
一 暦の作成と三平方の定理( 『周髀算経』の成り立ち 「圭表」で1年を計る 太陽の高度をもとにした計測)
二 円周率の計算(劉徽が求めた円周率 誤差を小さくする 祖沖之の方法 立方体を使った体積の求め方 更相減損法とその応用)
第3章 掛け算九九の伝来と算学教育――律令格式時代の算学
一 北中国数学の受容(日本独自の暦の必要性 北中国数学の模倣 掛け算九九の伝来)
二 式部省大学寮での算道教育(唐の制度の模倣 使用教科書 教育体制)
三 なぜ暦学が重視されたのか――算道独占の陰謀?(『周髀算経』の重視 暦学重視で誰が得をしたか 社会に適合させた制度)
第4章 どのような人が和算家になったのか
一 旧居から見た勘定方和算家の地位(関孝和の出自 関孝和の経歴 勘定和算期の和算家 関孝和後の和算家たち)
二 関孝和肖像画の謎
第5章 新たな段階に入った和算――「近世」の算学
一 八桁進法から四桁進法への移行(中国数学模倣からの脱却 日本独自の数学の誕生)
二 日本式ソロバンの発明(中国ソロバン 日本への伝来 日本ソロバンの誕生)
三 高次方程式と円周率――関孝和とその周辺(楊輝による高次方程式の解法 南中国で発達した開方術 関孝和の新発想 円周率の計算 円周率の近似分数)
第6章 方陣(魔方陣)の研究
一 中国の魔方陣(魔方陣とはどんなものか 魔方陣はどのように見られたか)
二 魔方陣の解き方(「交換法」 「層状対称法」 「求等法」 「洛書フレーム法」 「洛書ブロック法」)
二 日本の魔方陣(日本「近世」の魔方陣)
三 関孝和の方陣(関孝和の発見 奇方陣のつくり方 「双偶方」方陣のつくり方 単偶方陣のつくり方 和算家による方陣研究の発展)
第7章 和算発展の背景――遺題継承と算額奉納
一 遺題継承(和算を発展させたシステム 遺題の発端 翻積法と沢口一之の発展形 遺題継承の終わり)
二 算額奉納(算額奉納はどのようにして始まったか 盛り上がる算額奉納 円周率3・16の意義 各流派の競争)
第8章 西洋数学との邂逅
一 風水とともに伝わったネイピアの計算棒(ネイピアの計算棒 中国への伝来 西洋数学との最初の邂逅)
二 黒船と数学(西洋数学導入のメリット 富国強兵で優位となった西洋数学)
三 東京数学会社(日本数学会)の設立と研究対象としての和算(和算から算数へ 三上義夫の業績 和算研究の広がり 新時代に活かす和算の知恵)
目次
序章 和算とは
一 和算の定義
二 和算の時代区分
第1章 和算の源流――北中国数学と南中国数学
一 鶴亀算(算木の規定 鶴亀算の解き方①――代数 鶴亀算の解き方②――仮定法)
二 平方根と立方根(張家山遺跡で発掘された『算数書』 盈不足術(盈?術)による平方根の近似値 新しいパラダイムとなった『九章算術』 開平方術 二次方程式(開帯従平方) 開立方)
第2章 三平方の定理と円周率――「古代」数学パラダイムの完成
一 暦の作成と三平方の定理( 『周髀算経』の成り立ち 「圭表」で1年を計る 太陽の高度をもとにした計測)
二 円周率の計算(劉徽が求めた円周率 誤差を小さくする 祖沖之の方法 立方体を使った体積の求め方 更相減損法とその応用)
第3章 掛け算九九の伝来と算学教育――律令格式時代の算学
一 北中国数学の受容(日本独自の暦の必要性 北中国数学の模倣 掛け算九九の伝来)
二 式部省大学寮での算道教育(唐の制度の模倣 使用教科書 教育体制)
三 なぜ暦学が重視されたのか――算道独占の陰謀?(『周髀算経』の重視 暦学重視で誰が得をしたか 社会に適合させた制度)
第4章 どのような人が和算家になったのか
一 旧居から見た勘定方和算家の地位(関孝和の出自 関孝和の経歴 勘定和算期の和算家 関孝和後の和算家たち)
二 関孝和肖像画の謎
第5章 新たな段階に入った和算――「近世」の算学
一 八桁進法から四桁進法への移行(中国数学模倣からの脱却 日本独自の数学の誕生)
二 日本式ソロバンの発明(中国ソロバン 日本への伝来 日本ソロバンの誕生)
三 高次方程式と円周率――関孝和とその周辺(楊輝による高次方程式の解法 南中国で発達した開方術 関孝和の新発想 円周率の計算 円周率の近似分数)
第6章 方陣(魔方陣)の研究
一 中国の魔方陣(魔方陣とはどんなものか 魔方陣はどのように見られたか)
二 魔方陣の解き方(「交換法」 「層状対称法」 「求等法」 「洛書フレーム法」 「洛書ブロック法」)
二 日本の魔方陣(日本「近世」の魔方陣)
三 関孝和の方陣(関孝和の発見 奇方陣のつくり方 「双偶方」方陣のつくり方 単偶方陣のつくり方 和算家による方陣研究の発展)
第7章 和算発展の背景――遺題継承と算額奉納
一 遺題継承(和算を発展させたシステム 遺題の発端 翻積法と沢口一之の発展形 遺題継承の終わり)
二 算額奉納(算額奉納はどのようにして始まったか 盛り上がる算額奉納 円周率3・16の意義 各流派の競争)
第8章 西洋数学との邂逅
一 風水とともに伝わったネイピアの計算棒(ネイピアの計算棒 中国への伝来 西洋数学との最初の邂逅)
二 黒船と数学(西洋数学導入のメリット 富国強兵で優位となった西洋数学)
三 東京数学会社(日本数学会)の設立と研究対象としての和算(和算から算数へ 三上義夫の業績 和算研究の広がり 新時代に活かす和算の知恵)