内容説明
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1903年のライト兄弟の初飛行から110年の歴史を持つ飛行機.その間,航空技術は驚異的ともいえるスピードで発達を遂げてきた一方,大惨事となる数々の事故の経験があった.航空技術の獲得は,安全確保への人類の挑戦でもあった.本書では,航空の110年を振り返り,航空技術発展の過程を概観する.また,事故の教訓を安全性・信頼性向上に活かすのためにどんな取り組みがなされてきたか,さらに「落ちない飛行機」実現のために進められている研究を紹介する.
目次
はじめに
第1部 航空の110年
第1章 〈1900年代~1930年代〉飛行機の誕生から旅客飛行の成立まで
一 1900年代――フライヤー号とブレリオXI(ライト兄弟の初飛行/今日的な飛行機スタイルの確立)
二 1910年代――フォッカーDVIIとユンカースF13(戦時中に発達した空気力学の基礎/金属製の旅客機の登場)
三 1920年代――スピリット・オブ・セントルイス号とブレゲー19(大西洋単独飛行に成功/長距離航空路の開拓)
四 1930年代――ダグラスDC?3と零戦(本格的な旅客輸送を実現した名機の誕生/高性能なレシプロプロペラ機の競作)
第2章 〈1940年代~1970年代〉音速突破から大型旅客機の誕生まで
一 1940年代――ベルX?1とDH106コメット(音速の壁の突破/ジェット旅客機の誕生)
二 1950年代――ボーイング707とカラベル(ジェット旅客機が本格化する1950年代/中距離路線のジェット化が進む)
三 1960年代――超音速旅客機とボーイング747(超音速旅客機SSTの誕生/大量輸送時代を築いたジャンボジェット)
四 1970年代――トライスターとエアバス(ワイドボディー機の出現/欧州共同開発の発足)
第3章 〈1980年代~2000年代〉空の自由化と新たな競争の時代
一 1980年代――ボーイング7J7とエアバスA320(オイルショックで消えた日米共同開発計画/運航コスト削減をめざした機体)
二 1990年代――CRJとボーイング777(短距離路線のジェット化が進んだ1990年代/計算機によって設計された大型機)
三 2000年代――エアバスA380とボーイング787(エアバス社悲願のスーパージャンボ/新素材を大量使用した次世代旅客機)
第2部 航空安全獲得への歴史
第4章 初期の航空機事故から事故調査の確立まで
一 未熟な技術が招いた初期の航空機事故(最初の事故/日本での最初の航空機事故/事故の教訓/木製の機体を金属製に変えた事故)
二 事故調査はどうあるべきか(日本で最初の民間定期航空/寺田寅彦が絶賛した航空機事故調査/理想的な事故原因究明とは/米国での事故調査の変遷/再発防止のための事故調査)
第5章 技術課題と自然現象の克服
一 ダイバージェンスとフラッタ(ダイバージェンスで墜落したラングレーの機体/第一次大戦中における空力弾性問題/零戦で発生したフラッタ/なぜフラッタは発生したか)
二 疲労破壊(金属疲労で2度の空中分解を起こした悲劇の旅客機/疲労破壊のメカニズム)
三 乱気流との戦い(ウィンドシア/イベリア航空933便の事故/イースタン航空66便/マイクロバーストを予測した日本人気象学者/事故を踏まえたNTSBの勧告/再発するマイクロバースト事故/機上警報装置の開発/シャーロット空港での墜落/マイクロバーストへの取り組み)
第6章 信頼性管理の成果と限界――細部に宿るのは神か悪魔か
一 信頼性管理の手法――ルッサーの法則とフォン・ブラウンの方法(信頼性の数値化/信頼性管理の研究への着手/フォン・ブラウンの信頼性管理手法)
二 小さな欠陥が揺るがす信頼性――ラダー・リバーサルはなぜ発生したか(ICAOと航空安全基準/737のラダー問題/ラダーのメインPCUサーボ・バルブとは/二度目の墜落事故/ボーイング社およびFAAの対応/ラダーに潜む魔物/事故調査委員会の結論)
第7章 ヒューマンファクターから組織管理へ
一 繰り返されるヒューマンファクターによる事故(ヒューマンファクターで墜落した最新鋭機/ミスの連鎖が事故につながる/繰り返されたDC?10の事故/活かされなかった教訓/DC?10の運航停止)
二 史上最悪の航空事故から生まれたCRM訓練プログラム(ヒューマンエラーで発生した世界最悪の航空事故/事故の原因/事故調査に基づく勧告/コックピット・リソース・マネージメントの誕生/ユナイテッド航空232便、奇跡の着陸/事故原因/事故後の対策/進化するCRM)
三 組織管理とリスクマネージメント(航空輸送の「安全文化」/リスクマネージメント/レジリアントなシステムをめざして)
第3部 落ちない飛行機をめざした研究
第8章 パイロットの操縦技術に学ぶ
一 ベテランと新人の操縦技術は何が違うか(着陸の技術/三次元の情報を読み取る能力)
二 パイロットの技術とニューラルネットワーク(ニューラルネットワーク/パイロット操縦をモデル化する/ベテランと新人パイロットの違いはどこにあるか)
第9章 故障した飛行機を安全に飛行させる
一 飛行中の故障に対応するしくみ(操縦の自動化/ニューラルネットワークを用いた想定外のトラブルへの対応)
二 飛行中の故障を想定した飛行試験(エルロンが機能しない飛行機の耐故障飛行制御/機体破損ケース/最初の応用はUAV)
あとがき
◆コラム
翼の働き/飛行機の構造/ジェットエンジン/操縦のしくみ/航空管制のしくみ/ジュラルミンの秘密を探れ/フラッタで落ちたタコマ峡橋/コメットの墜落を予言した小説/ルッサーが設計に携わったV?1/認証制度
◆巻末
単位換算表/略語一覧/参考文献
目次
はじめに
第1部 航空の110年
第1章 〈1900年代~1930年代〉飛行機の誕生から旅客飛行の成立まで
一 1900年代――フライヤー号とブレリオXI(ライト兄弟の初飛行/今日的な飛行機スタイルの確立)
二 1910年代――フォッカーDVIIとユンカースF13(戦時中に発達した空気力学の基礎/金属製の旅客機の登場)
三 1920年代――スピリット・オブ・セントルイス号とブレゲー19(大西洋単独飛行に成功/長距離航空路の開拓)
四 1930年代――ダグラスDC?3と零戦(本格的な旅客輸送を実現した名機の誕生/高性能なレシプロプロペラ機の競作)
第2章 〈1940年代~1970年代〉音速突破から大型旅客機の誕生まで
一 1940年代――ベルX?1とDH106コメット(音速の壁の突破/ジェット旅客機の誕生)
二 1950年代――ボーイング707とカラベル(ジェット旅客機が本格化する1950年代/中距離路線のジェット化が進む)
三 1960年代――超音速旅客機とボーイング747(超音速旅客機SSTの誕生/大量輸送時代を築いたジャンボジェット)
四 1970年代――トライスターとエアバス(ワイドボディー機の出現/欧州共同開発の発足)
第3章 〈1980年代~2000年代〉空の自由化と新たな競争の時代
一 1980年代――ボーイング7J7とエアバスA320(オイルショックで消えた日米共同開発計画/運航コスト削減をめざした機体)
二 1990年代――CRJとボーイング777(短距離路線のジェット化が進んだ1990年代/計算機によって設計された大型機)
三 2000年代――エアバスA380とボーイング787(エアバス社悲願のスーパージャンボ/新素材を大量使用した次世代旅客機)
第2部 航空安全獲得への歴史
第4章 初期の航空機事故から事故調査の確立まで
一 未熟な技術が招いた初期の航空機事故(最初の事故/日本での最初の航空機事故/事故の教訓/木製の機体を金属製に変えた事故)
二 事故調査はどうあるべきか(日本で最初の民間定期航空/寺田寅彦が絶賛した航空機事故調査/理想的な事故原因究明とは/米国での事故調査の変遷/再発防止のための事故調査)
第5章 技術課題と自然現象の克服
一 ダイバージェンスとフラッタ(ダイバージェンスで墜落したラングレーの機体/第一次大戦中における空力弾性問題/零戦で発生したフラッタ/なぜフラッタは発生したか)
二 疲労破壊(金属疲労で2度の空中分解を起こした悲劇の旅客機/疲労破壊のメカニズム)
三 乱気流との戦い(ウィンドシア/イベリア航空933便の事故/イースタン航空66便/マイクロバーストを予測した日本人気象学者/事故を踏まえたNTSBの勧告/再発するマイクロバースト事故/機上警報装置の開発/シャーロット空港での墜落/マイクロバーストへの取り組み)
第6章 信頼性管理の成果と限界――細部に宿るのは神か悪魔か
一 信頼性管理の手法――ルッサーの法則とフォン・ブラウンの方法(信頼性の数値化/信頼性管理の研究への着手/フォン・ブラウンの信頼性管理手法)
二 小さな欠陥が揺るがす信頼性――ラダー・リバーサルはなぜ発生したか(ICAOと航空安全基準/737のラダー問題/ラダーのメインPCUサーボ・バルブとは/二度目の墜落事故/ボーイング社およびFAAの対応/ラダーに潜む魔物/事故調査委員会の結論)
第7章 ヒューマンファクターから組織管理へ
一 繰り返されるヒューマンファクターによる事故(ヒューマンファクターで墜落した最新鋭機/ミスの連鎖が事故につながる/繰り返されたDC?10の事故/活かされなかった教訓/DC?10の運航停止)
二 史上最悪の航空事故から生まれたCRM訓練プログラム(ヒューマンエラーで発生した世界最悪の航空事故/事故の原因/事故調査に基づく勧告/コックピット・リソース・マネージメントの誕生/ユナイテッド航空232便、奇跡の着陸/事故原因/事故後の対策/進化するCRM)
三 組織管理とリスクマネージメント(航空輸送の「安全文化」/リスクマネージメント/レジリアントなシステムをめざして)
第3部 落ちない飛行機をめざした研究
第8章 パイロットの操縦技術に学ぶ
一 ベテランと新人の操縦技術は何が違うか(着陸の技術/三次元の情報を読み取る能力)
二 パイロットの技術とニューラルネットワーク(ニューラルネットワーク/パイロット操縦をモデル化する/ベテランと新人パイロットの違いはどこにあるか)
第9章 故障した飛行機を安全に飛行させる
一 飛行中の故障に対応するしくみ(操縦の自動化/ニューラルネットワークを用いた想定外のトラブルへの対応)
二 飛行中の故障を想定した飛行試験(エルロンが機能しない飛行機の耐故障飛行制御/機体破損ケース/最初の応用はUAV)
あとがき
◆コラム
翼の働き/飛行機の構造/ジェットエンジン/操縦のしくみ/航空管制のしくみ/ジュラルミンの秘密を探れ/フラッタで落ちたタコマ峡橋/コメットの墜落を予言した小説/ルッサーが設計に携わったV?1/認証制度
◆巻末
単位換算表/略語一覧/参考文献
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1.3manen
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