DOJIN選書<br> 落ちない飛行機への挑戦―航空機事故ゼロの未来へ(DOJIN選書)

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DOJIN選書
落ちない飛行機への挑戦―航空機事故ゼロの未来へ(DOJIN選書)

  • 著者名:鈴木真二【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 化学同人(2016/08発売)
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  • ISBN:9784759813579

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内容説明

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1903年のライト兄弟の初飛行から110年の歴史を持つ飛行機.その間,航空技術は驚異的ともいえるスピードで発達を遂げてきた一方,大惨事となる数々の事故の経験があった.航空技術の獲得は,安全確保への人類の挑戦でもあった.本書では,航空の110年を振り返り,航空技術発展の過程を概観する.また,事故の教訓を安全性・信頼性向上に活かすのためにどんな取り組みがなされてきたか,さらに「落ちない飛行機」実現のために進められている研究を紹介する.
目次
はじめに
第1部 航空の110年
第1章 〈1900年代~1930年代〉飛行機の誕生から旅客飛行の成立まで
一 1900年代――フライヤー号とブレリオXI(ライト兄弟の初飛行/今日的な飛行機スタイルの確立)
二 1910年代――フォッカーDVIIとユンカースF13(戦時中に発達した空気力学の基礎/金属製の旅客機の登場)
三 1920年代――スピリット・オブ・セントルイス号とブレゲー19(大西洋単独飛行に成功/長距離航空路の開拓)
四 1930年代――ダグラスDC?3と零戦(本格的な旅客輸送を実現した名機の誕生/高性能なレシプロプロペラ機の競作)
第2章 〈1940年代~1970年代〉音速突破から大型旅客機の誕生まで
一 1940年代――ベルX?1とDH106コメット(音速の壁の突破/ジェット旅客機の誕生)
二 1950年代――ボーイング707とカラベル(ジェット旅客機が本格化する1950年代/中距離路線のジェット化が進む)
三 1960年代――超音速旅客機とボーイング747(超音速旅客機SSTの誕生/大量輸送時代を築いたジャンボジェット)
四 1970年代――トライスターとエアバス(ワイドボディー機の出現/欧州共同開発の発足)
第3章 〈1980年代~2000年代〉空の自由化と新たな競争の時代
一 1980年代――ボーイング7J7とエアバスA320(オイルショックで消えた日米共同開発計画/運航コスト削減をめざした機体)
二 1990年代――CRJとボーイング777(短距離路線のジェット化が進んだ1990年代/計算機によって設計された大型機)
三 2000年代――エアバスA380とボーイング787(エアバス社悲願のスーパージャンボ/新素材を大量使用した次世代旅客機)
第2部 航空安全獲得への歴史
第4章 初期の航空機事故から事故調査の確立まで
一 未熟な技術が招いた初期の航空機事故(最初の事故/日本での最初の航空機事故/事故の教訓/木製の機体を金属製に変えた事故)
二 事故調査はどうあるべきか(日本で最初の民間定期航空/寺田寅彦が絶賛した航空機事故調査/理想的な事故原因究明とは/米国での事故調査の変遷/再発防止のための事故調査)
第5章 技術課題と自然現象の克服
一 ダイバージェンスとフラッタ(ダイバージェンスで墜落したラングレーの機体/第一次大戦中における空力弾性問題/零戦で発生したフラッタ/なぜフラッタは発生したか)
二 疲労破壊(金属疲労で2度の空中分解を起こした悲劇の旅客機/疲労破壊のメカニズム)
三 乱気流との戦い(ウィンドシア/イベリア航空933便の事故/イースタン航空66便/マイクロバーストを予測した日本人気象学者/事故を踏まえたNTSBの勧告/再発するマイクロバースト事故/機上警報装置の開発/シャーロット空港での墜落/マイクロバーストへの取り組み)
第6章 信頼性管理の成果と限界――細部に宿るのは神か悪魔か
一 信頼性管理の手法――ルッサーの法則とフォン・ブラウンの方法(信頼性の数値化/信頼性管理の研究への着手/フォン・ブラウンの信頼性管理手法)
二 小さな欠陥が揺るがす信頼性――ラダー・リバーサルはなぜ発生したか(ICAOと航空安全基準/737のラダー問題/ラダーのメインPCUサーボ・バルブとは/二度目の墜落事故/ボーイング社およびFAAの対応/ラダーに潜む魔物/事故調査委員会の結論)
第7章 ヒューマンファクターから組織管理へ
一 繰り返されるヒューマンファクターによる事故(ヒューマンファクターで墜落した最新鋭機/ミスの連鎖が事故につながる/繰り返されたDC?10の事故/活かされなかった教訓/DC?10の運航停止)
二 史上最悪の航空事故から生まれたCRM訓練プログラム(ヒューマンエラーで発生した世界最悪の航空事故/事故の原因/事故調査に基づく勧告/コックピット・リソース・マネージメントの誕生/ユナイテッド航空232便、奇跡の着陸/事故原因/事故後の対策/進化するCRM)
三 組織管理とリスクマネージメント(航空輸送の「安全文化」/リスクマネージメント/レジリアントなシステムをめざして)
第3部 落ちない飛行機をめざした研究
第8章 パイロットの操縦技術に学ぶ
一 ベテランと新人の操縦技術は何が違うか(着陸の技術/三次元の情報を読み取る能力)
二 パイロットの技術とニューラルネットワーク(ニューラルネットワーク/パイロット操縦をモデル化する/ベテランと新人パイロットの違いはどこにあるか)
第9章 故障した飛行機を安全に飛行させる
一 飛行中の故障に対応するしくみ(操縦の自動化/ニューラルネットワークを用いた想定外のトラブルへの対応)
二 飛行中の故障を想定した飛行試験(エルロンが機能しない飛行機の耐故障飛行制御/機体破損ケース/最初の応用はUAV)
あとがき
◆コラム
翼の働き/飛行機の構造/ジェットエンジン/操縦のしくみ/航空管制のしくみ/ジュラルミンの秘密を探れ/フラッタで落ちたタコマ峡橋/コメットの墜落を予言した小説/ルッサーが設計に携わったV?1/認証制度
◆巻末
単位換算表/略語一覧/参考文献

目次

はじめに
第1部 航空の110年
第1章 〈1900年代~1930年代〉飛行機の誕生から旅客飛行の成立まで
一 1900年代――フライヤー号とブレリオXI(ライト兄弟の初飛行/今日的な飛行機スタイルの確立)
二 1910年代――フォッカーDVIIとユンカースF13(戦時中に発達した空気力学の基礎/金属製の旅客機の登場)
三 1920年代――スピリット・オブ・セントルイス号とブレゲー19(大西洋単独飛行に成功/長距離航空路の開拓)
四 1930年代――ダグラスDC?3と零戦(本格的な旅客輸送を実現した名機の誕生/高性能なレシプロプロペラ機の競作)
第2章 〈1940年代~1970年代〉音速突破から大型旅客機の誕生まで
一 1940年代――ベルX?1とDH106コメット(音速の壁の突破/ジェット旅客機の誕生)
二 1950年代――ボーイング707とカラベル(ジェット旅客機が本格化する1950年代/中距離路線のジェット化が進む)
三 1960年代――超音速旅客機とボーイング747(超音速旅客機SSTの誕生/大量輸送時代を築いたジャンボジェット)
四 1970年代――トライスターとエアバス(ワイドボディー機の出現/欧州共同開発の発足)
第3章 〈1980年代~2000年代〉空の自由化と新たな競争の時代
一 1980年代――ボーイング7J7とエアバスA320(オイルショックで消えた日米共同開発計画/運航コスト削減をめざした機体)
二 1990年代――CRJとボーイング777(短距離路線のジェット化が進んだ1990年代/計算機によって設計された大型機)
三 2000年代――エアバスA380とボーイング787(エアバス社悲願のスーパージャンボ/新素材を大量使用した次世代旅客機)
第2部 航空安全獲得への歴史
第4章 初期の航空機事故から事故調査の確立まで
一 未熟な技術が招いた初期の航空機事故(最初の事故/日本での最初の航空機事故/事故の教訓/木製の機体を金属製に変えた事故)
二 事故調査はどうあるべきか(日本で最初の民間定期航空/寺田寅彦が絶賛した航空機事故調査/理想的な事故原因究明とは/米国での事故調査の変遷/再発防止のための事故調査)
第5章 技術課題と自然現象の克服
一 ダイバージェンスとフラッタ(ダイバージェンスで墜落したラングレーの機体/第一次大戦中における空力弾性問題/零戦で発生したフラッタ/なぜフラッタは発生したか)
二 疲労破壊(金属疲労で2度の空中分解を起こした悲劇の旅客機/疲労破壊のメカニズム)
三 乱気流との戦い(ウィンドシア/イベリア航空933便の事故/イースタン航空66便/マイクロバーストを予測した日本人気象学者/事故を踏まえたNTSBの勧告/再発するマイクロバースト事故/機上警報装置の開発/シャーロット空港での墜落/マイクロバーストへの取り組み)
第6章 信頼性管理の成果と限界――細部に宿るのは神か悪魔か
一 信頼性管理の手法――ルッサーの法則とフォン・ブラウンの方法(信頼性の数値化/信頼性管理の研究への着手/フォン・ブラウンの信頼性管理手法)
二 小さな欠陥が揺るがす信頼性――ラダー・リバーサルはなぜ発生したか(ICAOと航空安全基準/737のラダー問題/ラダーのメインPCUサーボ・バルブとは/二度目の墜落事故/ボーイング社およびFAAの対応/ラダーに潜む魔物/事故調査委員会の結論)
第7章 ヒューマンファクターから組織管理へ
一 繰り返されるヒューマンファクターによる事故(ヒューマンファクターで墜落した最新鋭機/ミスの連鎖が事故につながる/繰り返されたDC?10の事故/活かされなかった教訓/DC?10の運航停止)
二 史上最悪の航空事故から生まれたCRM訓練プログラム(ヒューマンエラーで発生した世界最悪の航空事故/事故の原因/事故調査に基づく勧告/コックピット・リソース・マネージメントの誕生/ユナイテッド航空232便、奇跡の着陸/事故原因/事故後の対策/進化するCRM)
三 組織管理とリスクマネージメント(航空輸送の「安全文化」/リスクマネージメント/レジリアントなシステムをめざして)
第3部 落ちない飛行機をめざした研究
第8章 パイロットの操縦技術に学ぶ
一 ベテランと新人の操縦技術は何が違うか(着陸の技術/三次元の情報を読み取る能力)
二 パイロットの技術とニューラルネットワーク(ニューラルネットワーク/パイロット操縦をモデル化する/ベテランと新人パイロットの違いはどこにあるか)
第9章 故障した飛行機を安全に飛行させる
一 飛行中の故障に対応するしくみ(操縦の自動化/ニューラルネットワークを用いた想定外のトラブルへの対応)
二 飛行中の故障を想定した飛行試験(エルロンが機能しない飛行機の耐故障飛行制御/機体破損ケース/最初の応用はUAV)
あとがき
◆コラム
翼の働き/飛行機の構造/ジェットエンジン/操縦のしくみ/航空管制のしくみ/ジュラルミンの秘密を探れ/フラッタで落ちたタコマ峡橋/コメットの墜落を予言した小説/ルッサーが設計に携わったV?1/認証制度
◆巻末
単位換算表/略語一覧/参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

1.3manen

16
1日100万人以上が空を飛ぶ時代(2頁)。もう14年もご無沙汰しているが、 海外に出かける用事は非正規ではなかなか見いだせない証拠か。ジュラルミンというアルミ合金でつくられている機体(29頁)。重量は寸法の3乗で増加するが、揚力は寸法の2乗で増加。大型ほど軽量化が要求されるゆえん(31頁)。2014/09/02

後藤良平

2
一億人マイルあたりの死亡者は、飛行機0.01人、バス列車0.05人、車0.72人。数字では飛行機が安全。787やA350では、CFRP(炭素繊維強化プラスティック)の使用量が構造重量の約50%。主翼、胴体、尾翼などはほとんどとのことで驚く。錆びない、疲労にも強い、軽いとまさに無敵。色々な墜落事例が出てくるが、離陸着陸時のマイクロバーストは恐怖だ。空港付近への雷雲の接近があれば、飛行機の運行が止まるのもしょうがない。機体破損時のマニュアル操縦を助ける人工知能研究には大いに期待したい。年間No.3榴岡図書館2022/01/09

ドリアン・グレイ

0
学科で勉強してきたので読むのが難しくなかった。2017/01/23

ななみ

0
飛行機のこれまでとこれからをきれいにまとめた本。人類の歴史の中で飛行機の占める割合はごく小さいけど、その間にライト兄弟からニューラルネットワークによる「落ちない飛行機」まで長足の進化を遂げた裏には、安易な「安全第一」に甘んじることなく続けられた偉大な先人たちの挑戦がある。「完全な安全を求めるなら、鳥を眺めていればいい」というライト兄弟の兄・ウィルバーの言葉を噛み締めるべきは今かもしれない。2014/09/30

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