内容説明
最盛期マイルス・デイヴィスの活動から沈黙の六年、そして晩年まで――『憂鬱と官能』コンビによる東京大学講義はいよいよ熱気を帯びる。没後二十年を迎えるジャズ界最大の人物に迫る名著。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
fishdeleuze
7
下巻はいわゆる電化マイルスから91年に亡くなるまで。68年、In a silent wayからマイルスの電化時代が始まる。この時期は録音編集技術の進歩が音楽作成に大きな影響を与えたようだ。大雑把に言えば、音楽的なアイディアを出し、テープを回しっぱなしでセッションし、それをテオ・マセロがテープをつないでアルバムを作る。まるで錬金術のようにアルバムが作られていく。音楽的には素晴らしい作品が多いが、健康状態は徐々に悪化、やがて六年間の沈黙、引退へ入る。2025/10/20
Nepenthes
3
上下巻共になんとも強烈な本でした。情報量も分析解析も写真もインタビューも隅々まで面白くそして高度、濃密。Milesとほぼ「ダチ」として交遊した佐藤孝信氏のインタビューを何としても読みたいという衝動に駆られてしまう。とにかく凄い本なのだけれども、本書の本当の凄さはこれまで発刊された優れたMiles本のようにこれからじわじわと身に染みて解ってくるんだろうなと思います。持ってる自叙伝のように、ボロボロになるまで読むんだろうなあ。2025/11/15
CCC
3
キーワードは『アンビヴァレンス』。停留しない人だとは思っていたけど、ここまで不安定な人だったとは。マイルスは触りくらいしか聞いてないけれど、面白い講義だった。勉強嫌いだし大学も行ってないけど、こういう話だったらいくらでも聞いてみたい。2012/10/17
fishdeleuze
3
菊地=大谷コンビの論考はどれもスピード感がある。マイルス・デイヴィス研究は,『憂鬱と官能…』や『東京大学…』シリーズで扱い切れないので別に書かれたものだが,一連の著作の延長にあるといってもいいだろう。下巻は電化マイルスから晩年まで。60年代クインテットから電化へ至る流れや,菊地曰く「マイルス発狂記」の日常,1975年から5年間の沈黙,そして再起。音楽史的にはKind of Blueなのだろうが,個人的にはIn a Silent WayにはじまりGet Up With Itまでの一連の作品に愛着をおぼえる。2012/06/04
Takuo Iwamaru
3
現時点で僕がいちばん好きなマイルスの曲は、アルバム「パンゲア」のディスク1に収録の「ジンバブウェ」の「冒頭約15~20分」(笑)(「ジンバブウェ」は41分の曲です)。初めて聞いたとき、凄すぎて本当に声に出して「あはははははは」と笑ってしまったのを覚えています。あぶないやつです。さらに興奮のあまりCD聞き終えた後に、親しくしていただいているジャズバーのマスターにいきなり電話をかけて「いまパンゲア聞きました」的なことをしゃべっちゃいまして、迷惑なやつです。今聞いてもやっぱり凄すぎて笑ってしまいます。2012/03/28




