内容説明
刺殺された作家・砂村悦子が死の直前に書いた自伝的小説は、かつて悦子に殺された従妹のアイが、鏡に宿り復讐するという内容だった!? 事実、刺殺現場に残された犯人の足跡は、部屋の隅にある鏡の前で忽然と途絶えていた。やがて明らかになる衝撃の真相……。i(アイ)とは何か? 絶妙のトリック、大ドンデン返し! 女流本格ミステリーの旗手が描いた長編傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
備忘録
19
シリーズものの第一作ということだが、あまりそういう意識は感じない 物語の導入は被害者となる作家の書き残した、自身の生い立ちを元にした短編から始まる 事件にホラー味を与えるスパイスの役割かと思ったが、事件解決後にどんでん返しが起こり、事件の根底に係る要素だと分かる そして最後の最後でホラーオチは個人的には作者らしくて好き2025/06/25
Tetchy
10
因縁話のプロローグ、本編に入って繰り広げられる未完の短編そっくりの見立て殺人、とこの頃、新本格ブームで数多デビューした作家の1人として認識していたので、またこの手の小説かと高を括っていたら、ラストでビックリ!これはあの有名なアレではないか!ということでそれまでの凡作評価から一気に評価が上がった。前情報なしで読む方がミステリはやっぱ楽しめるのかと強く思った1冊。2009/10/19
MIKETOM
9
五歳の少女。同居していた従妹(少女と瓜二つ)と叔母(母と瓜二つ)が相次いで事故死。それ以降、少女は鏡の中に従妹の顔を見るようになる。20数年後。作家になった少女が惨殺される。犯人の足跡が鏡に向かって消えていた。書きかけの作品には、あの時従妹を殺したのは自分だという内容が…。鏡が恐怖を煽るアイテムになっている。夜中に読むとチト背筋が寒くなるような…。ラスト近くのどんでん返しにはさすがに驚いた。そっか~そういうことか~。この母子のせいで夫はいい迷惑。ラストはああじゃないほうがいいが、それは個人の好みの問題。2023/04/24
penguin
9
新人作家が密室で殺された。犯人と思しき者の足跡は姿見の前で途切れている。そして部屋からは自身の罪を告白するかのような書きかけの小説が消えた。作家の幼少期に起こった秘めた出来事と今回の殺人事件、「鏡」という道具をとても上手に使った話だった。感心した。 30年前の作品で時代背景の違いは当然あるが、物語に古さはない。あまりまだ存在感も特筆するキャラクター性も感じなかったが刑事 貴島柊志シリーズになっているのでしばらく楽しい読書時間を期待。 ただ、家賃はちゃんと払おうよ、そこかなり意外だったよ。2021/06/20
もっち
4
再読 十数年前の初読以来、「ミステリとホラーの融合」と聞くと、一つの理想型として真っ先に思い浮かぶ作品 謎のほとんどがミステリとして割り切れて、なおかつ余りの形がとても美しい トリックはシンプルで非常に本格ミステリ的、そしてミスディレクションがミステリ・ホラー両面に渡って効いている 文章もこなれていて読みやすい(やや軽すぎる、という憾みもなくはないが)…と、何だかやたらに語りたくなる、ある意味私のトラウマである もっと読まれてほしいです2010/07/09
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