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内容説明
「われわれは確かに軍事的な意味での勝利を得た。しかしもっと広い意味から考えれば、われわれは戦争に敗北したように思われてならぬ」
大西洋無着陸単独横断飛行や人工心臓装置の開発など、数々の偉業を為した英雄リンドバーグ。
唯一残した日記は、第二次大戦という西欧文明崩壊の証言だった。
断固として訴えた米国の参戦反対、ルーズベルト大統領との確執、航空事業界の国際的な内幕――
戦後25年を経て公開された、衝撃の記録。
(目次)
まえがき――刊行者のことば
大戦前夜――ヨーロッパで
第一章 大英帝国、老いたり―― 一九三八年
スターリンの空軍を見る/ヒトラーは強気だ/西部戦線、異常あり/ナチスがくれた最高勲章/独仏密約を策す
第二章 戦争か平和か 帰国―― 一九三九年
早くもスパイ説/指導者が正気を失えば/運命は狂人の手に/油断ならぬ大統領/いかに生きるべきか/ヒトラーが仕掛けてきた/「参戦反対」に踏み切る/大統領候補にどうか/上手な喧嘩の仕方
第三章 ロンドン炎上 米国で―― 一九四〇年
戦機うかがう大統領/やつを「抹殺」せよ/参戦反対の旗を/三選は参戦だ!
大戦前夜――米本国で
第四章 ファシスト呼ばわりされて―― 一九四一年
逆風にもめげず
主要登場人物
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
影実
1
大西洋無着陸単独横断飛行や人工心臓装置の開発などで著名なリンドバーグによる第二次世界大戦前夜から終戦までの日記。上巻は1938年3月12日から1941年9月11日まで。戦争突入までのヨーロッパの様子や参戦を決定するまでのアメリカの様子が良く描かれている。広い交友関係(ケネディ大使、サン=テグジュペリ、フォード等)や、教養を感じさせるリンドバーグの独白も興味深い。「物質的価値により成功を測ってはならぬ」「今日、繁栄国家は優秀な軍隊を持っていないかも知れぬ、が、堕落国家は優秀な軍隊を持つことはできないのだ」2018/11/06
ぞだぐぁ
0
新潮社版が読書メーターになかったけど同じ訳者だったのでこちらに感想。 『翼よ、あれが巴里の灯だ』で有名なリンドバーグがつけていた日記の内、第二次大戦に入る前あたりからのもの。 親ドイツでWW2では非参戦派だったって話は聞いていたけど、フランス戦闘機用にドイツ製飛行機エンジンを輸入するよう働きかけていたとか歴史の流れを知っていると驚くべき内容も。 イギリスの飯がマズイとかダリの絵がどうして良いのか分からないって辺りは親近感。 死んだ子供の棺を開けられて写真なんか撮られたら、そりゃあマスコミ嫌いになるよね……2021/08/24