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内容説明
「啓蒙」の18世紀フランスを代表する思想家が最晩年に残した著作、ついに本邦初訳! イギリスから経験論を導入し、感覚や記号に関する独自の体系を作り上げたコンディヤックが若者たちのために書いた教科書。本書は誰にとっても生きる上で役に立つ「正しく考える方法」を習得するための最良の書である。この本で学べば、「諸学問について適切に論じている本を、遅くはないスピードで読み進めることができる」ようになる!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
68
平易な言葉で訳してあるが、中身をきちんと理解するには時間がかかる。18世紀フランスの人々がどのような論理でどのように世界を認識していたかが垣間見られた。2019/07/22
六点
49
勤務先の研修で「ロジカルシンキング」とやらを受講せねばならんので、思わず購入した本。なにせ危険物取扱資格者の試験を受ける時にファラデーの『ロウソクの科学』を読むような性格なもので。然乍ら、ポーランドの小学生用の教科書として書かれたのには驚く。啓蒙主義の時代というのは恐ろしいものであったのだなあ。2016/08/30
ノコギリマン
24
当時の初等教育用に書かれた本というだけあってかなり分かりやすいんだけど、僕にはまだ九マイルは遠すぎるようです。2016/10/24
さえきかずひこ
14
1780年に仏語で刊行されたポーランドの教科書を邦訳したもの。よく見たものをいったん分解したのちに、再構成すること=「分析はまさしく精神の梃子なのである」(P.118)という考えにもとづき経験論の要点をきわめて平易に説いている。訳注が18世紀当時の学問状況が判るよう、実に丁寧に付けられており、早熟な中高生にもぜひ読んでほしい一冊。「いずれにせよ、経験主義哲学(実験主義哲学)は自然科学を理論的に支えるための思想だったのである」(P.211)。本書を読む意義を明晰判明にまとめた解説も要を得ていて充実している。2019/12/06
isao_key
10
18世紀フランスの哲学者による書。正しく考える方法を学べる書だという。中盤は言語について言及している。「我々がよい推論をするのも悪い推論をするのも名称の助けによってである。(中略)我々がよい推論をするのは我々の言語がよくできているからであり、悪い推論をするのは我々の言語のできが悪いからである」定義について「物事の属性を発見するにはその物事を分析しなければならない。分析するにはその物事をよく見なければならない。つまり、こうした定義は我々に分析すべき物事を提示しているのであり、それだけが定義の役割なのである」2017/07/13