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内容説明
さっ太は、馬の飼育を生業とする小さな山里に住む、気のやさしい男の子。里では子どもが年ごろになると、里長さまから子馬を一頭もらうことができました。ところが、さっ太が大好きになった黒い子馬を、もうひとりの男の子もほしがります。そこで里長さまは、ふたりにある試練を与えました。――里のおとなたちに見守られ、「正しいこと、勇気があること」とはなにかを、いっしょうけんめい考える子どもたちの、ほっこり成長物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コージー
16
長野県出身の作家というので、読んでみた。方言がモロに今すんでるとこと、実家地方のもので、楽しくよんだ。みんなが寂しくならないように考え、勇気を出して頑張るさっ太と周りの子供たちが、素敵だ。2016/06/18
いと
10
欲張りなくらい沢山の思いが詰まったお話でした。個人的には、もうすぐ小学校を卒業する息子をぎゅっと抱きしめたくなりました。2017/02/25
ファーラス
9
児童文学。良作。戦国時代の日本、信州・水笠の里。そこでは毎年の「駒王祭」で、里長から認められた子供に相棒となる子馬があてがわれる。水笠の衆はその馬術と勇猛さで、やがて主君に仕える侍として旅立つからだ。そして今年、のんびり屋で小心者なさっ太にも、一目惚れした黒い子馬が与えられることに……しかし、黒い子馬を欲しがったのはガキ大将の千吉も同じだった。里長は、どちらがふさわしいか、二人に山奥の秘宝を取ってくるようにと「試練」を課す。強さとは何か、少年の成長を描く、暖かな冒険譚。2016/06/12
だいきち
2
意地悪な千吉がどうして意地悪になったのか、知りたかった。仲間と祠の宝を見つけに行く主人公のさっ太より、ひとりぼっちで山道をテクテクと行く、千吉・・・。最後は宝である鳥の雛たちを見つけて、襲おうとした蛇を捕まえて(雛たちはそのままに)優しい気持ちで帰ってくる。さっ太が欲しがっていた馬は、その試練を乗り越えたがゆえにさっ太の手に入る。にしても、千吉。2017/06/22
mick004
2
今年の松本市の文化芸術表彰の著書。読んでいる間、完全に向こうの世界に旅をしていた。結末が見えている物語でありながら、その旅は魅力的だった。読み終わりの喪失感。感動という言葉を使いたくないが、感動がたくさんあった。一番残念なのはタイトルだと思う。読むまでと、読み進めるまで、なんとなく面白くないイメージがあり抵抗があった。良い意味で予想を裏切る内容だった。2016/11/23