内容説明
ブルグ帝国の暴君皇帝に政略結婚で迎えられた王女ヘルミナ。生まれつき身体が弱く、長く起きれば熱を出し、緊張が高じると血を吐いて倒れるという病弱っぷりで、世話係の侯爵カエサルは日々振り回されることに。だが、実は病弱を逆手に医学や政治の知識を蓄えていたヘルミナ。国民が皇帝に不満を持つのを見抜き、カエサルに革命の同志となるよう密約を申し出て…。激動のヒストリカルラブ!
目次
序章 死にかけ姫の決意
第一章 人質妃のはかりごと
第二章 其は、この国の剣と盾
第三章 裏切りがばれる時
第四章 革命の、鐘が鳴る
終章 そして生まれる、新しい世界
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひめありす@灯れ松明の火
40
死にかけ故に誰よりも生命にずぶとく強かなお姫様と恋知らずの騎士様の物語。恋なんて言う厄介なものに立場の違い試走の違い、そしておまけの病弱さと厄介だらけの二人の恋模様。もだもだしながらもヘルミナが少しずつ解き放たれていくように、私も少しずつ明るい気持ちになって読むことが出来ました。因みに息子が父親譲りの赤毛のはずなのに二人そろって赤毛じゃないとはこれいかに。そしてヘルミナのお家の諜報加減が突発的過ぎてびっくり。もう少し先に教えておいてほしかった……。そしてこの人がのちの溺愛小父様なのか……すっごい納得した。2018/12/31
瀧ながれ
32
血筋だけはいい病弱な王女が、暴君と悪名高い皇帝の何番目かの妻として嫁ぐことになる。一先ず婚約者として皇帝の城に入った王女は、すでに息も絶え絶えながら、ある決意を秘めていた。わざわざ医者を呼び寄せ、高価な薬を求めて、苦しみながらも生き長らえてきたのは、自分が王女だったから。ならば、王女としてできる働きを行おう。というヒロインの覚悟が鮮やかでうつくしい。少女小説だから、まさか主人公が死ぬことはあるまい、と思いながらも、ヒヤヒヤさせられました。こういう結末を迎えたからは、身体だいじにしてください、どうか。2016/08/13
ダージリン
29
幼い頃、形ばかりの婚約者に言われた、心無い一言に逆に奮起して、病も武器に立ち向かえるヒロインが素敵すぎます~! 続きも出るそうなので、楽しみにしてます♪2016/08/14
ぐっち
23
ヒロインが本気で死にかけてる!39歳差の皇帝に嫁ぐことになった病弱姫。自分でできることを精いっぱい利用して国のために頑張る姿に引き込まれます。姫の世話役となったカエサルとの恋も良かったです。先に続編のほうを読んじゃったのですが、もっとシリーズ化しないかな?2016/09/17
U
22
ヘルミナの名前は笑っていいのか微妙なラインだなあ。本当に病弱な王女様の精神的タフさがよかったです。こういう病弱だけどラスボス系キャラすごい好きだなあ!ってわくわくしました。わりとぐいぐい行く系肉食騎士のカエサルも興味深い。吹っ切れるとけっこうフリーダムな人だな。でもこのお話の中だとブルーノが好きとは言いたくないんだけど一番好きかもしれない……みたいなこう複雑な敗北感を与えてくれるキャラでした。2017/06/25