内容説明
「世界初」「日本一」……。 江戸時代、殿様の独創的な好奇心は、趣味の域を大きく超えていた! 昆虫図鑑をまとめた増山正賢(伊勢国長島藩主)、世界地理書を著した朽木昌綱(丹波国福知山藩主)、洋風画法・秋田蘭画を生み出した佐竹義敦(出羽国秋田藩主)、オランダ語を流暢に話した鍋島直正(肥前国佐賀藩主)ほか、数学、茶の湯、俳諧・和歌、書物、庭園、遊興などに情熱を燃やした殿様たち27人のエピソード集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
志村真幸
2
本書は、『公評』の連載をまとめなおしたもの。27人の大名がとりあげられている。 算術に没頭した有馬頼徸、雪の結晶を観察した土井利位、茶の湯を極めた小堀遠州、図書をコレクションした前田綱紀、俳諧に熱中した藤堂高通、湯治に精を出した牧野成貞、オランダ語を話した鍋島直正など、有名どころからマイナーな人物までが紹介されている。 人物や生涯と、彼らの「好奇心」の対象となったものについて、簡単に分かる。 ただ、書きぶりはいささか雑に見えた。ちゃんと整理されていないし、よく理解できない箇所もあちこちに。2024/05/25
ケロたん
1
激務の合間に趣味の域を越える芸術を残す大名たち。見習いたいものです。2024/02/03
めぐみこ
1
極めて独創的な好奇心を発揮した27人の大名に焦点を当て、その好奇心の正体に迫る。庭園・茶道・科学…と、興味の方向は様々で読んでて楽しい。そしてやる事のスケール大きい。さすがお殿様。2016/05/07
こうきち
1
KindleUnlimitedで読了。 面白かったけど、常に財政難と隣り合わせなのがなんとも言えないバカらしさも感じるところ。2018/06/30
akuragitatata
0
いろんな文化活動をした大名を並べた本。面白いエピソードをつまみ食いするセンスは参考になる。幕藩財政との関係を論じているけれど、大名の文化活動は個々人の趣味だけではなく地域における公共事業という側面もあったので、好奇心だけでは片付かない。現在の政治経済・学芸文化とは違って、江戸時代の文化活動の担い手がたまたま大名だったという側面もある。知らないこともたくさん書いてあったので面白くよんだ。六義園とか、今は無くなってしまった巨大な庭園の話などもおもしろい。2017/08/23