新潮文庫<br> 幼年時代

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新潮文庫
幼年時代

  • ISBN:9784102060087

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内容説明

10歳になったわたしは、父の領地で何不自由のない生活をしていたが、勉強のために、兄と一緒にモスクワで暮すことになった。最後の狩、母との別れ、都会での貴族的な生活、そして母の死――。みずみずしさ、屈託のなさ、愛への渇望、純粋な信仰心に満ちた、人生における最も美しい時代を描きながら、のちのトルストイ文学の特質をあますところなく備えもつ、自伝的処女中編である。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

蛇の婿

10
私の最も古い記憶は「……い顔してごらん」と母親に言われて、歌舞伎の役者よろしく祖母の前で顔を思い切りしかめてみせたことです。…の部分は、多分その時点で私に理解できなかった言葉であったらしく、もはや記憶には無いのですが、多分「おいしい顔」「かっこいい顔」に類する言葉だったのではないか、と、想像しています…/トルストイの処女作にして、自伝三部作の第一部と呼ばれるこの作品のなかの、「わたし」の経験は、読者である「私」の幼年時代の記憶を呼び覚まし、深い共感を私に感じさせてくれました。2012/06/13

pika

5
ジュブナイルとか子供の視点の話が苦手なので、読み始めたものの頭に入ってこず積読状態で、もう読むことはないかもしれないとまで思って放置していたが、適当でもいいからと読み始めたら「トルストイになめた態度を取るなんて申し訳ありません、ごめんなさい」と平謝りするくらい面白かった。おそらく自然主義がツボなんだけど、その中でもトルストイの表現は完璧と感じるくらい好き。ライン引きまくり。完璧な表現。驚くほど的確で簡潔で、シンプルながらも鮮やかな表現。読んだ瞬間から直ぐ様イメージできる。これが処女作とは信じられない。2023/08/03

東側ギャン

2
おそらくトルストイにとってナターリヤ・サーヴィシナは本当に理想の人間として終生胸の中にいたんだと思う。2017/02/13

やすきち

2
洞察力に感嘆。文豪たる所以か。感受性豊かな幼年時代を思い起こそう。誰もが来た道だから。2011/12/22

長南 徹

0
幼年期に経験した様々な出来事の中での心理描写は、思春期に差し掛かる前の少年にありがちなものであり、私自身も共感するものが多かった。友達同士のいざこざや異性への意識などは、そういう事もあったなあーと共感できるものが多かった。2023/08/27

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