内容説明
頽廃の淵にありながら、一顆のレモンのように涼しい顔をした男、壬生七郎――。その、むごく鮮烈な愛ゆえに、女は自殺をはかり、妻は精神に錯乱を来たした。無明の歳月は流れ、今や悪性の腫瘍を宣告された彼の赴く先は? 仮借ない自己分析と、透徹した美意識のうちに、生と死の凄惨な闘いを映し出し、この世の無常を見据えて、比類なき〈精神の勁さ〉を明かす、立原文学の秀作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
25
立原さんらしい美しさを感じながら読みました。しかし主人公には共感できる部分はほとんどありませんでした。しかしそのような主人公を、シビアに書く著者をすごいと思いました。2024/01/29
みたらしだんご
5
主人公、壬生七郎みたいな男性が現代では受け入れられるだろうか、とまず感じました。立原さんの本は以前読んだことがあり、良かった記憶がありますが、この小説で描かれる「男の美学」は正直理解しづらいし、壬生に感情移入はできません。しかし、ある意味徹底的に突き放したような視点や、日本各地に赴いた時の心境描写は惹かれるものがありました。タイトルの『あだし野』は絶妙。2013/05/02
うぇす
2
小説家、愛人、余命 ○自堕落な生活を送る小説家が妻と愛人の間でふらふらする話。とくにオチとかはない。レイプシーンは人としてどうかと思う。2010/06/14
雲國斎
0
立原正秋もわりと読んだけど,すっからこんと忘れてる…。1977/09/22
obb
0
△男がふらふらしてるから、女は不安で狂う、こういう男は、怖いー。2012/08/25
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