内容説明
自身の正義に揺らぎを覚えた朱雀が、いびつな価値観と少女たちを前に取った行動とは? そんな世界は壊してしまえ――。『変猫』コンビの最新作! 待望の第二巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まりも
54
さがら総、渡航、橘公司によるプロジェクトクオリディアの前日譚のさがら総編。世界と人類を愛し、人類の敵と戦う少年少女の前に現実が襲いかかる話。び、微妙。圧倒的な愛の前に、1人の少年の考えが変化したって事なんでしょうか。正直イマイチピンとこなかったせいか、物語に入り込めませんでした。前巻にあった痴女要素も薄かったし、何か色々と残念だったかなぁ。さがら総さんにこういう世界観の作品は難しかったのか。他のラブコメ作品とは違った見方で楽しまないとダメな感じですね。とりあえずアニメの方に期待。ぴーすぴーす。2016/06/24
ナカショー
43
東京版クオリディア一応の決着巻。アニメ見てて朱雀のキャラこんなんだったっけ?と首を傾げましたが、この巻読んで納得しました。そりゃあ性格変わるわな。あと合間合間に挟まってるカナリアの独白がホラーみたく恐ろしかった。あのダブルピースが恐ろしく感じました。あ、面白かったです。ぴーすぴーす。2016/07/22
よっち
42
まっすぐに強さだけを追い求めていたのに、冬燕桃華の離脱に信念が揺らぎ始めてしまう朱雀。相変わらずマイペースなカナリアに振り回されながら、落伍者を鍛える道を選ぶ第二弾。世界のありようや主席のやり方に疑問を感じ、強くなれば全ての問題が解決すると考えた朱雀。しかし彼のように誰もが強くあれるわけではなくて、最悪の形で否定されて先鋭化した彼が救いを見出したのが、世界に否定されて孤独に戦っていたカナリアだったという構図に、何とも危うい予感がしてしまいますね。お互いの存在に救われる二人に明るい未来があるといいんですが。2016/08/22
異世界西郷さん
42
アニメ版の第1話を観ながら、「朱雀ってこんな奴だっけ? 」と思っていましたが、なるほどこういうわけですね。持ちたる者の傲慢も持たざる者の卑屈も、全ての人物の世界が一つに絡み合って話が進んでいく様にページをめくる手が止まりませんでした。ようやく答えにたどり着いた朱雀ととっくの昔に答えにたどり着いていたカナリアの対比もなかなか面白いですね。そして、相変わらずのカントク絵の素晴らしさ! 特にp.23の挿絵。ここまで書くのか。いや、別作品の挿絵で2本振り回してる絵を描いてるからこのくらいの事はまあ、その、ねぇ。2016/07/22
Yobata
41
人類,世界を愛し,論理的に強さだけを追い求めていたが、冬燕桃華の件でその信念が揺らぎ始めてしまう朱雀。同じ考えの筈の新主席のやり方に疑念を感じた朱雀は落伍者を鍛える道を選ぶも…。東京編,完結。感情という不確定要素ではなく論理に基づく確実な強さを正義として掲げていたも、カナリアの登場,桃華の件で正義が揺らぐ朱雀を前に突きつけられる現実は感情でしか表せない狂った世界。落伍者として迫害されて生活してきた鶉野の選択といい,戦闘科が主席を陥れた細やかな悪意の集合体と、とても人間らしくおぞましい狂ったものだったね。→2016/06/23