立憲非立憲

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立憲非立憲

  • 著者名:佐々木惣一【著】
  • 価格 ¥935(本体¥850)
  • 講談社(2016/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062923668

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内容説明

「憲法学の京都学派」と呼ばれ、美濃部達吉と双璧の存在と目された憲法学の大家が残した偉大なメッセージ。たとえ「合憲」であっても「非立憲」であってはならない。違憲ではないか、という疑念の声が多くあげられた法案が可決され、改憲への動きが現実味を帯びる現在、「合憲か、違憲か」の対だけでは本質をつかむことはできない。本書で提示される「立憲か、非立憲か」という対こそが、日本の未来を左右する最重要の争点になる!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヤギ郎

13
佐々木惣一の著作物をまとめた一冊。解説によると,ある年の元日の朝刊の一面に佐々木による文章が掲載されたらしい。京都帝大教授という一流大学の先生であるとはいえ,元日の一面に自分の言葉を載せるほどの学者は,彼の他にはいないだろう。本書はそれほどの大物による論文集だ。「一票の投げ所」「憲法裁判所設置の議」は勉強になった。解説は読みごたえがある。注意しないといけないのは,佐々木は大日本帝国憲法を見てこれらの論文を執筆したこと。それでも,現代に通じることが多いように感じる。2018/04/13

りん

12
日本憲法学の大家中の大家による著作。立憲政治が当たり前ではなかった時代に書かれただけあって、その本来的なあり方、特質を鋭く指摘している。憲法による保護を当たり前のように享受している我々が憲法を語るとき、目先の政治的な側面に目が行きがちだが、本当に大事なのことはなんなのか、本書は痛烈に訴えかけてくる。2017/09/02

Ohe Hiroyuki

2
本書は、戦前・戦後において日本を代表する憲法学者である著者によるエッセイ集(新聞での連載記事の文庫化)である▼立憲の要諦は、国民の国家運営への参画にあると述べ、我が国の国体にも沿うものであることを力説する説明は分かりやすい。▼どのような候補に投票するべきかといった点にも触れられていて、ここまでの明け透けな物言いで大いに参考になるところである。▼解説では、生い立ちというよりは、著者の考えの遍歴などに触れるものであり、なかなかにエッジが効いた内容となっている。2021/08/06

ただの人間

1
大正デモクラシー期という時代背景的に反動的な軍閥勢力を批判するものかと思いきや、大臣や議会の責任を通じて一般国民の責任意識を立憲政治の基礎をなすものとして厳しく論じる内容。天皇の無答責という与件(このあたりの与件に対する配慮はホッブズの市民論とも似たものを感じた)から、丁寧に論理を積み上げて飛躍していく迫力ある。石川健治解説はイェリネック、吉野作造、朝永三十郎との関係など、各作品の執筆に至る思想史を辿る2020/02/29

林克也

1
佐々木惣一さんが立命館の学長もされていたということを初めて知りました。自分が40年近く前の学生の頃、他学部(いわゆる文系の学部)やその学問・思想にはほとんど興味がなかったので、佐々木先生のことを全く知りませんでした。今、猛烈に恥じています。 さて、政治屋と愚民の関係は100年前と現在とで1mmたりとも変わっていないことがよくわかりました。既視感、というか、現在と何も変わっていない。高々100年、そんな時間では人って変わらないですよね、ああ。で、今、多くの普通の人は、このような本はとても読まないですよね。 2017/12/15

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