文春新書<br> 「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

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文春新書
「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄

  • 著者名:顔伯鈞/安田峰俊
  • 価格 ¥815(本体¥741)
  • 文藝春秋(2016/07発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 210pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166610839

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内容説明

10万人を動かした中国最大の民主化勢力幹部 逃亡2万キロの全記録。まさに現代の『水滸伝』だ。

巨額の贈収賄や不正ビジネスが横行する中国共産党、資産隠匿に手を染める高級幹部たち……。腐り切った現体制に業を煮やした共産党若手エリートは、社会問題を考える人々の食事会に参加したのをきっかけに、次第に体制改革運動に身を投じてゆく。

著者らを待ち受けていたのは、国内安全保安局(いわゆる秘密警察)による監視、尾行、盗聴だった。そして逮捕、監禁、拷問すれすれの非人道的な取り調べ……エスカレートする弾圧から逃れるため、彼らは家族も捨てて逃亡を開始する。

中国国内には当局の厳重な監視をかいくぐって民主化シンパたちの地下ネットワークが張り巡らされている。か細い糸をたどって潜伏先を探すが、すぐに当局の包囲網が彼らを追い込む。

逮捕された後、当局の取り調べは熾烈を極める。自白しない著者の前に、妻まで連れてこられ、強烈なプレッシャーをかけられた。運良く獄から出られても、監視の目はつきまとう。

息詰まるようなサスペンスが次から次へとやってくる中、それでも彼らは逃げ続ける。チベット、香港、ミャンマー、タイ……。拠点を移しながら活動を続け、ときおり北京にもこっそり戻り、体制改革へのアピールを続けてゆく。再び捕まったら一巻の終わり。ボロ雑巾のようになるまで人間性を破壊され、闇に葬られる。

祖国の民主化のため、凄まじい人権侵害と闘い続ける英雄豪傑たちの群像。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

88
他の方も書いておられるがエンタテインメントとしても面白いと思った。中国という国はチベットやウイグル人、少数民族だけでなく同じ漢民族でも体制に逆らうと容赦なく監視し投獄する国だ。人民共和国という名のつく国はだいたいが人民のためでなく一握りの権力者の国、かくいう日本でも民主主義というものの自民党の長期政権でやりたい放題。都合が悪くなると証拠を廃棄したり改ざんしたり・・・マイナンバーで国民番号をつけいろんなデータを紐付けしようとしてい。このままではいずれは中国のことを言っていられなくなりそうだ。図書館本 2019/12/01

ののまる

20
これはフィクション?と勘違いするほどの、中国政府が民主派を弾圧する真実…著者は共産党員なんだけど、そんなことは全く関係ないのです。それにしても、活動家をどこまでも追いかける政府の執拗さ。2016/07/06

チェアー

17
現代でこんなことがあるのか、と思わずにはいられない逃亡劇。そんな感想は、日本人ならではの脳天気なおごりだ。戦争、独裁、弾圧、貧困。これらと無援な人間は世界にどれほどいるのか。経済力と政治力で影響力を増す中国。その中で、民主化を求める勢力の主張は、過激でもなんでもない。しかし、一党独裁と権力の保身を旨とする政権からすれば、それは許せないものなのだ。人間として当たり前のことを言ったがために、追い込まれた壮絶な逃亡劇。もはや言葉がない。「恵まれた」日本人として何をしなければいけないのか考えなくてはいけない。 2016/08/30

むらさきめがね

16
報道されない中国を垣間見られる貴重な読書でした。読み物として単純に面白かったし、中国という存在は最高の題材だと再確認しつつ、海を隔ててすぐ隣にある現実の国だと思い出して暗い気持ちになるの繰り返し。ミャンマー国境沿いの軍閥のくだりは特に興味深く読みました。アジア情勢に興味があればぜひ一読されたし。2017/02/11

ああああ

16
キャッチーな題名に、ネトウヨや隣国を卑下したいオッサン連中向けの本か…と思うと、実に気持ちよく裏切られる。亡命者の逃亡記なのだが、義俠の人や好漢としか呼びようのない登場人物達の濃さは、まさに現代の水滸伝!回族、ネオナチ青年、ミャンマー軍閥とみな魅力的。党内での権力争いの余波を被むったっぽい著者自身も含め、人間の多様さと絆の太さは、ワイドショーのネタとしての中国しか知らない人には想像もつかない世界だろう。というか想像もつかない逃亡劇でした。2016/06/26

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