内容説明
1941年、マドリード。日系ペルー人宝石商として社交界にも出入りする北都昭平(ほくとしょうへい)は、陸軍参謀本部の密命を帯びたスパイだった。日米開戦の阻止に動く大物日本公使、日本の暗号の解読疑惑、ナチス内部の暗闘……。現代史の裏面を織り交ぜながら、第二次世界大戦を圧倒的迫力で語るエンタテインメント大作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつうら
53
前作に引き続き、1941年のスペインにて戦争の行方を探るスパイたちの諜報戦を描く。アメリカが石油の禁輸に踏み切ったりと、日米関係が最悪の状況に向かっていくが、そこにイギリスの首相チャーチルの思惑が絡んでいたことには驚いた。ヒトラーの攻略を巻き返したいチャーチルにとって、どうしてもアメリカの参戦が必要。そしてそのためには、日米を戦争状態にするのが効率的という説明は、理論的には納得できても、心情的には理解しがたい。勝手に巻き込むなと言いたいところだが、国内ではドイツ贔屓な世論もあって、なんとも歯痒いことだ。2023/08/18
takeapple
9
2005年以来の再読、前回は「イベリア」より先に読んだのでわからないところがあったが、今回は順番通りに読んだのでよくわかった。フランコ政権下のスペイン薬ナチス支配下のドイツが出てくるが、私だったら耐えられないなあ。下巻に続く。2023/09/17
路地裏のオヤジ
8
第二次世界大戦中の日米開戦前の緊迫した情勢のなかで、各国の思惑が交錯する。なかなか面白い。2019/03/16
へいへい
7
本屋で探してもみつからず、図書館でようやく発見。引き続き面白い!が、ペネロペはあれで最期でいいのか?どこかで生きてる気がする。日米開戦のカウントダウンが始まったところで下巻に。2016/02/27
かこ
6
日本が対米戦争に移る一歩手前で上巻終わり! 1941年4月日ソ中立条約、6月独ソ戦、8月アメリカが日本への石油輸出禁止、、2020/10/21