岩波新書<br> 学びとは何か - 〈探究人〉になるために

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岩波新書
学びとは何か - 〈探究人〉になるために

  • 著者名:今井むつみ
  • 価格 ¥880(本体¥800)
  • 岩波書店(2016/06発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784004315964

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内容説明

「学び」とは,あくなき探究のプロセスだ.たんなる知識の習得でなく,新しい知識を生み出す「発見と創造」こそ本質なのだ.本書は認知科学の視点から,生きた知識の学びについて考える.古い知識観──知識のドネルケバブ・モデル──を脱却し,自ら学ぶ力を呼び起こす,画期的な一冊.

目次

目  次
   はじめに
   誰にでもできる探究……羽生善治

 第1章 記憶と知識
  1 「記憶力がよい」とはどういうこと?
  2 知識とは何だろうか?

 第2章 知識のシステムを創る──子どもの言語の学習から学ぶ
  1 できることから始める
  2 ことばの意味の学び方を学ぶ
  3 知識のシステムを構築する
  4 概念の創出

 第3章 乗り越えなければならない壁──誤ったスキーマの克服
  1 赤ちゃんでもわかる物理法則
  2 誤ったスキーマ
  3 思い込みの落とし穴
  4 母国語のスキーマと外国語学習
  5 誤ったスキーマの克服

 第4章 学びを極める──熟達するとはどういうことか
  1 熟達とは何か
  2 スキルの自動化と作動記憶
  3 直観力はどこから生まれるのか

 第5章 熟達による脳の変化
  1 脳のしくみと熟達
  2 脳はどのように変化する?
  3 人から学ぶときの脳の変化
  4 「直観」はどこにある?

 第6章 「生きた知識」を生む知識観
  1 知識観が学びを決める
  2 「生きた知識」を獲得するには
  3 暗記はほんとうにダメなのか
  4 「生きた知識」とエピステモロジー

 第7章 超一流の達人になる
  1 いかに練習するか
  2 努力か、才能か
  3 熟達と創造性
  4 「天才」とはどんな人か?

 終章 探究人を育てる
  1 探究人を育てるためのシンプルな鉄則
  2 遊びの中から探究心を育む
  3 学ぶ力は自分で身につける
   おわりに
   参考文献

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

140
新書の割には内容が非常に学術的な感じでしっかりしている本ではないかと思いました。どちらかというと軽く読めるハウツー的な本をイメージしていたのですが、内容がかなり専門的な感じです。またたしかに私などは古い知識観にとらわれていると感じることがあります。人前でしゃべるときなど特に感じます。この本を読んで少しは今後の学びの在り方を少しは模索できた気がします。2016/10/30

esop

71
自分で問題を発見し、考え、解決策を自分で見つける」という「学習力」そのものである/究極の学習というのは「自分をきちんと客観的に知る」(メタ認知)と「相手の気持ち、考え方、感情を知る」(思いやり)である/行間を補うために使う常識的な知識、これを心理学では「スキーマ」と呼んでいる/人は自らスキーマをつくり、そのスキーマのフィルターを通してものごとを観察し、解釈し、考え、記憶する。ただし、スキーマは経験的につくられた、いわば「思い込み」でもある。そのため、いつも正しいとは限らない2024/10/04

rigmarole

67
印象度A-。著者も「はじめに」で断っているように、本書は即効性のある勉強術のハウツー本ではありません。しかし人間の学習過程を認知科学・発達心理学の研究成果や達人のエピソードに基づいて様々に分析し、その結果からよい学びとは何かについて論じており、仕事上も、個人的にも、非常に示唆に富む本でした。畢竟するに「学ぶ力」とは、知識の断片を効率的に蓄積する能力ではなく、知識のシステムや理解の枠組み(スキーマ)を構築し修正する能力であるということ。そのための直感と批判的思考は車の両輪であるとの主張にも大いに同意します。2021/04/27

とくけんちょ

58
いわゆる賢い人になるためにはどうしたらいいのか。学びについて考えてみようと手にとった。行間を補うための常識的な知識、スキーマというみたいだが、このスキーマと学びについての関連性は、なるほどと思った。赤ちゃんが母国語を習得するプロセスやはたまた熟達することで脳自体の働きはどうなるのかといった興味深いところがまとめられており、楽しめた。タイトルは固いが、読みやすい。残念ながら熟達に近道はないみたい。2023/02/18

まこみや

57
1)スキーマを更新しながら生きた知識のシステムを作ること。2)「根気」と「打たれ強さ」を併せ持って、自分で発見する楽しさ、自分で作り出す喜びを知ること。なるほど「よく遊び、よく学べ」という言い習わしは深いのだなあ、と思いました。ところで「65の手習い」でもまだ間に合うかしら。2020/01/03

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