出版社内容情報
「人生最悪の日ですか?」
街角で黒猫に訊かれたら、
それは不思議な図書館への招待――
結婚式を目前にして恋人に振られた千紗は、同時に仕事も住む場所もなくして不幸のどん底にいた。そんな千紗に声をかけてきたのは、路地裏の一匹の黒猫――人生最悪の日かと黒猫に訊かれ、やけくそ気味に「そうだ」と答えた千紗は、気がつくと不思議な図書館に。自分の人生を一冊の本に書きあげるまで出られないと言われるが、そこには千紗同様迷い込んできた、個性豊かな人たちがいて……。
内容説明
結婚式を目前にして恋人に振られた千紗は、同時に仕事も住む場所もなくして不幸のどん底にいた。そんな千紗に声をかけてきたのは路地裏の一匹の黒猫―人生最悪の日かと黒猫に訊かれ、やけくそ気味に「そうだ」と答えた千紗は、気がつくと不思議な図書館に。自分の人生を一冊の本に書きあげるまで出られないと言われるが、そこには千紗同様迷い込んできた、個性豊かな人たちがいて…。
著者等紹介
柊サナカ[ヒイラギサナカ]
香川県生まれ、兵庫県育ち。第11回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉として、2013年に『婚活島戦記』で作家デビュー。2019年の『人生写真館の奇跡』(以上、宝島社)は世界29カ国での刊行が決まっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
128
結婚式を目前にして恋人に振られた人生最悪の日に、黒猫によって不思議な図書館に導かれた千紗。図書館を出るには自分史の本を書き上げなければならない。その図書館、様々な理由で人生最悪の日だと思った人達も迷い込み、それぞれが自分を見つめ直す。ただ単純に、それぞれが自分を見つめ直しながら、自分史を書いて図書館を出る物語ではなかった。ウルウルシーンあり、更に見事な伏線回収、一気読みできる面白さ。今、この世の中で満足してはいけないんだ、将来を考えて、未来を豊かにしようと伝えるような美しい物語だ。2025/06/19
オセロ
47
人生のどん底を味わった仲間たちと言っても年齢も性別も図書館での過ごし方もバラバラ。そんな彼女たちがふとしたことから交流が始まり、それぞれの最悪の出来事を明らかにして、価値観が変わっていくというあらすじから予想出来る内容なうえに、どうしても某作品と被ってしまうんですよね。 司書さんのことや図書館のタブーのことなどまだまだ掘り下げられるところもあったし、設定が面白かっただけにいろいろ残念でした。2025/05/24
よっち
36
結婚式を目前に恋人に振られ、同時に仕事も住む場所もなくして不幸のどん底にいた千紗。彼女が街角で出会った黒猫に不思議な図書館へと招待される物語。気がつくと迷い込んでいた、自分の人生を一冊の本に書きあげるまでは出られない不思議な図書館。そこで出会った少女アリスたちとともに自分史に向き合っていく一方で、同様に迷い込んできた様々な人たちとの出会いがあって、それぞれの人生を見つめていく中で気づいたことや、この図書館がどういう場所だったのかを知り、そこから思わぬ繋がりにも気づいていくその結末はなかなか良かったですね。2025/06/16
mayu
33
「人生最悪の日ですか」と黒猫に尋ねられ、そうですと答えたら誘われる不思議な図書館。出口の無い図書館は自分史を書き上げられなければ元の世界へ戻れない。そこへ集まるのはそれぞれの最悪の日を抱えた人達。三章のゆみさま、四章の厭世の話は涙無しでは読めなかった。それぞれの最悪な現実と自分に向き合い、仲間達の話を聞いて前向きになっていく姿がとても良かった。今は何でもデジタルで書くこと自体が少なくなってきているけど、自分の気持ちを書き出して向き合うって苦しいし難しいけど、前を向くために大切と感じた一冊。2025/05/31
ぐっち
25
結婚直前で婚約を破棄された帰りに、バッグを盗まれてしまった千紗。黒猫からの「人生最悪の日ですか?」にうっかり答えてしまったばかりに、不思議な図書館に閉じ込められてしまい、自分の人生を1冊の本にするまでここから出られないらしい。生意気な小学生・アリスや、喫茶店のマダムTなどと出会いながら、自分の人生を書き出していくうちに…。しゃべる猫や不思議な図書館にはなかなか出会えないかもしれないけど、行き詰ったときに、気持ちを書き出してみるのはいいと思う。図書館で出会った人たちのその後がいい読後感。2025/06/21