内容説明
先生たちのキャラクター。男子と女子の攻防。隣の学区への小さな旅。PTAと子ども会。行事をめぐる一喜一憂。父との微妙な距離感。連続誘拐殺人事件の影。深まる母の謎――。小学生自身の視点で克明に立ち上がる、ノスタルジーも無垢も消失した、驚くべき世界像! 三島賞作家による、スーパーリアルな「小学生小説」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takaC
65
確かに「学校の近くの家」と名付けたくなる話だった。あからさまに狭山なのに市名の記述だけS山で面白かった。だって読者の自分もS山だから。2018/10/09
そうたそ
49
★★★☆☆ 正門からごく近く、家からは教室が至近距離に見える。そんな家に暮らす小学生の視点から描かれるリアルな小学生小説。青木淳悟を読んできた人なら当たり前のように思うことだが、いつものように人間を描こうとされることはない。故に、小学生を描く小説にありがちなノスタルジックな感じも一切ない。外堀を埋めていくような説明が延々と続き、ストーリー性を求める人には全くおすすめできない。でもこれが青木淳悟なのである。一方で難を言うなら、この作品にはそういう描き方をすることによる意図がいまいち見えてこなかった。2016/07/19
ゆにこ
42
青木さんは初読み。自分の子が小学五年生の時はもっと幼かったので、小学生視点と言われてもピンと来ないけど、生活の中で学校の占める割合がとても大きかったよなあと懐かしくなる。2016/02/08
ダミアン4号
32
私事になりますが…我が弟の家は弟の息子達が通う小学校の真ん前!始業のベルが鳴ってから家を飛び出しても充分、間に合う場所にあります。確か小学校と中学校が隣接してたんで…この物語の主人公以上に“家が学校の直ぐ近く”という事で悩みがあるなら深く長かったんじゃないのかなぁ(笑)両親との意識・価値観のズレ、奇妙(?)な共感がなんともいえない雰囲気をかもし出しています。小学校中~高学年という思春期とも反抗期ともとれる微妙な年齢の少年が物語の中心だったからでしょうか「うんうん」と頷ける時と「はて?」と首を傾げる時が半々2016/02/14
fwhd8325
28
とても文学的な物語でした。淡々としていますが、そこには複雑に愉楽心理描写があります。静かに潜伏しながら物語が進むようで、少々捉えにくいのですが、印象はとても深く感じます。2016/04/23
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