内容説明
鶴見弁護士の中学の恩師夏川が、札幌から上京した。城巡りが趣味の夏川は、雲海に浮かぶ城として有名な竹田城へ行く予定だという。数日後、神戸から竹田城へ向かった夏川が、忽然と消えたと連絡が入る。事故か事件か、恩師の安否を心配し鶴見は竹田城へ。やがて、教育熱心で生徒に慕われた男が抱えた暗い秘密を突き止めるが……。驚愕の真実を前に若き弁護士が下した決断とは?
目次
第一章 竹田城
第二章 恩師の過去
第三章 第四の女
第四章 捜索断念
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
104
鶴見弁護士シリーズ第7弾!舞台は竹田城。恩師の失踪を追って過去に行きつく。聖人君子で誰からも目標とされる恩師にも過去はあった。もう探さないでと言う妻の気持ちを思うと私自身微妙な感じになった・・そしてのラストがこれか。ん~ん、ちょっと腑に落ちないがこれが恩師の決めた事なのだろう。寝言は気をつけなきゃね(汗)認知症になってからの発言は裁判では有効なのだろうか?心配になってきた。今作では誰が救われたのかなぁ・・2016/05/19
Tsuyoshi
67
鶴見弁護士が事件ではなく、旅先で失踪した恩師を探す話。友人や教え子、過去の恋人など関係者との接触にて教育熱心だった恩師の過去の秘密に辿り着くが。。死ぬまで隠し通さなければならない秘密をもった恩師が患った若年性アルツハイマー。罪を追及したとて全てを忘れてしまう運命に追及を断念し深々とお辞儀をし別れを告げた鶴見の姿が潔くも切なかった。2018/04/23
ゆみねこ
61
尊敬する中学時代の恩師が、城巡りの途中で失踪した。行方を追う鶴見京介弁護士や、恩師の親友。恩師・夏目の過去を追ううちに明らかになる真実。あっさりとした結末なので忘れてしまいそうです。 2016/08/26
NAO
55
竹田城に行ったあと忽然と姿を消してしまった恩師を探すうちに、恩師の過去が明らかになっていく。行方不明といっても事件性が薄いことから自発的に姿を消したと考えられるこの失踪、背後には女性の影がちらつく。そして、ひた隠しにしていたことが明らかになる。身につまされる話ではあるが、同時に失踪者の身勝手さも感じる。2023/09/11
RED FOX
11
「ずいぶん熱心に城のことをきかれたので情報館『天空の城』をお教えしたんです」消えた恩師を探す鶴見弁護士が切ない。洲本調査員の捜索が頼もしい。2022/09/11