内容説明
ここ数年、日本の教育制度は大変貌を遂げつつある。その全体像を「日本型学校主義」という理念型を手がかりに、変化の動態として把握し理解する。「いじめ」や「体罰」、さらには「学力低下」や「教員不祥事」など、なぜ抜本解決に至らないのか。親の学校への満足度は高くない。国民は学校教育を改善するために協力したいと思っている。そのための制度的仕組みを考え、民主的な具体案を提示する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
38
集団面接控室で40分かけて通読した。言わんとしたことは大体わかる。ただ、面接での発言には直接的に影響しなかった。予備知識としてはよかったと思う。学校の問題解決のために、全体像俯瞰し理解する必要がある(017頁)。著者は政経、倫理、現社など教えてきた(069頁)。学校教師は知の伝達者、知の啓発者(186頁)。全体を通して、著者の教育法に共感できるのは、論述式テストをしていること。○×式客観テストでなく、論争的なテーマを扱う倫理などの科目もある。2016/07/27
きいち
26
保護者として、また地域の協力者として複数の学校に関わってきた(転勤もあったので数えてみるともう10校にもなる)。制度の理不尽、教員の能力への不満、確かに感じることもあるけど、それよりも「意外にええんと違う?」と思うことのほうが多い。個別の事件はあくまで個別のもの、それでマクロを語るメディアやネットの物言いこそが、現場を運営し学校の効果を最大化するのに必要な「学習者の納得感」を阻害してるように思う。◇評価は大切。いい先生のいい取組は軋轢も生む。守り育てるには、保護者の声が要る。PTAの噂話だってメディアだ。2016/02/28
isao_key
9
学校のあり方、教育システム、教師・生徒・保護者の役割、カリキュラムや変えるべき点など教育現場と世間の視点にも着眼した学校教育の改善策。学級代表、生徒会長の長は男子で副が女子、管理者も校長は圧倒的に男性で、PTA役員は母親がやるのに、会長だけは男性で、教育委員会なども幹部はほとんど男支配である。戦後の民主主義教育で男女平等が叫ばれても学校生活全般に根付かなかったのは、戦前からの「良妻賢母」教育が無自覚に引き継がれてきたからだという。小学校では協調性を説きながら中学では個性を出せと矛盾した教育も同源にある。2016/09/26
motoryou
4
「日本型学校主義」として筆者は「与える教育」「教師主導(本位)」「集団的一斉主義」をあげている。そして,そういう「実態」を覆い隠す「名ばかり民主主義」があると述べる。「学校って意外と民主主義じゃないところがあるよね」と感じるところもあったから,前半は「うんうん,そうだなあ」と思いながら。しかし,後半になるにつれて,痛いところをぐいぐい突かれちょっと読むのがしんどくなってきた。「そ,そうはいっても…」と思いながら(確かにそう…)と思わざるを得ないから。教師にとってはきついが,読んでおいた方がよい本だと思う。2016/01/03
oooともろー
3
著者とは見解を異にすることも多いが、自分の価値観を見直す良い契機にはなる。2016/07/21
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