内容説明
厚き友情と信頼で結ばれていた、花の名手・池坊専好と茶の名人・千利休。しかし秀吉の怒りを買い利休は非業の死を。専好の秀吉に対する怒りが増していく。そんな専好に秀吉への復讐の機会が訪れる…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
クプクプ
72
先に映画を見ていましたが、原作は説明が丁寧で映画より楽しめました。華道を極めた池坊専好の見事な生け花を見た利休が、専好に批判的な意見を言い、専好は傷つきますが、後に利休は専好の弟子になり、茶道と華道の両方を学ぶ決断をします。秀吉の独裁時代で誰も秀吉に「猿」と呼べなくなりますが、最後に専好が秀吉のために渾身の生け花を披露します。私は切り花に興味がありますし、花の名前をカタカナではなく、漢字で表現した点も成功していました。2023/07/01
ケンイチミズバ
58
大河で目が肥えてしまったのか、天下人や天才たちの感情表現や言動があっさりしていて、読みやすいのですがドラマが軽い、物足りない感じです。時代小説を読むとその時代を知らないのにその時代の空気に触れているような気持ちになれます。そして人間の欲望、才能への憧れや嫉妬など根本的なものは今と少しも変わらず、違うのは簡単に人が死ぬはかなさくらいでしょうか。私が立花や茶事に疎いためもあるかもしれませんが感動がさほど伝わらない。秀吉が利休に嫉妬し立腹した様子をほくそ笑む利休が嫌いな三成の描き方などマンガのようでした。2016/12/09
James Hayashi
29
秀吉と利休の心情をわかりやすく描いていると思う。事実はどうなのか知らないが、利休と花道の池坊(初代専好)と秀吉の交流を描くなど、かなりバラエティーに富んだストーリー。 利休に嫉妬した秀吉はその頃から下り坂の人生となっているのも不思議ではないのであろう。また結末がエンターテイメント的に優れており、読後感も豊かである。17年に映画化された作品。映画のエンディングがどのような光景なのか見てみたい。2019/06/17
紫羊
28
読友さんからのお勧め本です。映画の原作だそうです。ページごとに映像として場面が浮かんでくるようなイキイキした作品でした。2017/06/30
積読亭まめウサ☆積ん読減らしたいのに増えてく
21
本作は茶の道を究めようとした利休、同じく華の道を究めようとする池坊専好、二人が己の道の美を命を懸けて追求する姿に感動。粗筋に利休や親しかった人たちのために刀ではなく花で秀吉へ仇討ちを…ということだったので、どのような方法だろうと読み進めたが、こういう事だったのか!→続き2017/06/22