内容説明
【あらすじ】恋人の桜桃瑠梨(ゆすら・るり)を事故で亡くして以来、怠惰な日々を過ごしていた私立探偵・冬青 明(そよご・あきら)は、ある地域に伝わる伝承を調査するために、一人、過疎化の進む港町を訪れていた。明は、その町で偶然立ち寄ったBAR「リスキーゲーム」の女店主・赤荻七海(あかおぎ・なつみ)に、「特別な日」の店の手伝いを依頼される。そして約束の日。いつになく混雑する店内に用意されたステージで艶やかな歌声を披露している人物が、瑠梨の妹・理子(りこ)であることを知った明は、彼女に不思議な魅力を感じていく――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ユキミ
7
好きな曲で好きな歌い手さんがまさかの執筆されているということで初めてボカロ楽曲の小説を手に取りました。内容はあまり歌詞からイメージされるものではなく、ボカロのキャラクターも出てきません。亡き彼女への愛を忘れられない青年と、彼女の妹の物語。彼らの苗字が変わった読み方をさせているので最初のビジュアルページがあって助かりました。「会いたい気持ちで僕を苦しませたいんだろう」と歌詞にあるので、もっと狡く大人っぽいのかと思いきや、不器用で思っていたよりも幼い印象。明も理子も瑠梨の手のひらの上だったのかもしれない。2018/07/31