内容説明
裁かれるジャンヌ・ダルクは、ほんとうに神より遣わされし者なのか?国王シャルル七世の寵臣ジョルジュは、自らの地位を脅かしかねぬ女(ジヤンヌ)の素性を洗い出そうと心を砕く。そして最後に彼が気づいたある戦慄すべき事実とは……。西欧中世史に材をとった表題作のほかに六篇を収める、才気横溢の傑作短篇集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
k5
72
表題作より、ジャンヌ処刑裁判をパリ大学側から描いた「ルーアン」が出色。なるほどシャルルを王とみなさなければ、神がかりの濫用になるわけか。作者はほぼフランスのイメージでしたが、カスティリヤ、アラゴン連合王国の成立に関する物語や、ダ・ヴィンチの話など他のヨーロッパものもあって楽しい短篇集です。2021/08/13
ehirano1
65
各々のラストシーンが秀逸だと思いました。こういうの好きです。「ヴォラーレ」ではダ・ヴインチの苦悩に引き込まれました。2016/05/12
ehirano1
56
「エッセ・エス」は短編ではなく長編で読みたいな。佐藤先生お願します。2016/05/15
巨峰
25
直木賞を取った頃に2、3作よんだ佐藤賢一を久々に読んでみた。西洋の歴史小説を書く人は多くないわけで、貴重な存在であるべきなんだが、どうにも、この人は底が浅い。その印象は変わらなかった。この小説で1番楽しく読めたのは「エッセ エス」なんだけど、でも、これって勧進帳でしょ?2011/09/05
リードシクティス
14
中世ヨーロッパを舞台にした小説を得意とする作家の短編集。ジャンヌ・ダルクを題材に取った作品は2編収録されているのだが、佐藤賢一作品らしいカタルシスは無い。その他もそれぞれ短編らしい引き締まった良い作品ではあるがどれも少し物足りない感はあった。そんな中「エッセ・エス」は爽やかな痛快作。語り手の心情が地の文章を浸食するという、この著者独特の文体はやっぱりこういう作品をより一層盛り上げる。与えられた運命に身を委ねるのではなく、自分の人生を掴み取ろうとしたイサベル王女とそれに応えたフェルナンド王子が格好いい。 2015/03/18
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