内容説明
トルコ東部のワン湖に棲むといわれる謎の巨大生物ジャナワール。果たしてそれは本物かフェイクか。現場に飛んだ著者はクソ真面目な取材でその真実に切り込んでいく。イスラム復興主義やクルド問題をかきわけた末、目の前に謎の驚くべき物体が現れた! 興奮と笑いが渦巻く100%ガチンコ・ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
191
今回の旅はトルコ最深部、もうイランとの国境に近いクルディスタンの地にあるワン湖。パックツアーは当然、個人旅行者でもめったに行かない所だ。もっとも、著者の高野氏は、この前年に家族旅行で行ったというのだから、根っからの辺境好きだ。それにしても、早稲田探検部時代にはコンゴの奥地にムベンベを追い、今また、いい年をして(不惑にもなって)ジャナワールの正体を求めてワン湖へ。なんとも破天荒な人生。幼児用のビニールボートで湖に漕ぎだすところなどは、もう抱腹絶倒。そして、ジャナワールは今もUMA(未確認不思議生物)なのだ。2014/03/03
おいしゃん
98
高野さん、今度は幻の巨大生物を探しにトルコへ。相変わらず面白い。早々に「存在しない」と結論が出かかるのだが、罰ゲームかと思うほど念入りに現地取材するうちに、まさかのご対面…!!さらに、子供用ゴムボートで悪戦苦闘する写真と共に、トルコの新聞の一面に掲載。こんな探検記、他にあるだろうか。まさに高野さんオリジナリティ溢れる一冊。2015/09/22
ゆいまある
76
辺境ライターであり、UMA研究家でもある高野秀行さんが、トルコのワン湖という辺境でジャナワルというネッシーか竜のようなUMAを探すノンフィクション。どうせUMAは出てこないだろうが、琵琶湖の5倍の大きさでアルカリ性というワン湖畔の美しい景色、美味しいクルド料理の描写が読んでて楽しい。そして何故か高野秀行さん自身がUMAの目撃者となってしまうラスト。私も泥説に一票。今後の調査に期待。2018/09/20
ホークス
70
2006年、著者はトルコ東部のワン湖に棲むUMA(未確認不思議生物)、ジャナワールの捜索に挑戦した。現地で得た情報の多くは怪しく、信用できそうな目撃者の話もイメージし難いものだった。何だかユルい探検記で終わるんじゃないか、と思った最後にドンデン返しが来る。遭遇したそれは、本当にイメージし難い存在だった。ネットでみる限り、今も決着は付いていない。いやビックリしました。同地はクルド人のエリアで、ガイドも運転手もクルド人。難しい問題の一端や、日々の生活に触れることができる。不思議な読後感。2020/05/15
ntahima
64
UMA(未確認動物)探索を語るのは難しい。その歴史と分類を小辞典風に纏めたものならJバルロワの『幻の動物たち』等の秀作がある。フィクションなら作家の想像力次第では如何なる世界でも紡ぎ出せる。但、自らが関わった探査行を描く場合、発見できなかったという事実が先にあるのが普通である。万が一発見されていたら当然大ニュースになっている筈。発見のない探検を如何に描くか?『幻獣ムベンベを追え』は眩いばかりの青春群像だった。『怪魚ウモッカ~』ではカフカの城的不条理な手法を使った。本作では?何と筆者は未知と遭遇してしまう!2013/04/02