腐った翼 JAL65年の浮沈

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腐った翼 JAL65年の浮沈

  • 著者名:森功【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 講談社(2016/04発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784062816717

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内容説明

国に守られ、政治家と癒着し、甘い汁を吸って世界に大きく羽ばたいた“国策”企業の内実は、デタラメ経営そのものだ。御巣鷹山事故が起きても打つ手なし。社員は派閥闘争に専心し、経営陣は巨額赤字をひた隠す。乗客のJAL離れは進み、2010年1月、とうとう2兆3000億円もの負債を抱えて倒産。その破産処理には、もちろん国民の血税が投入されている。59年間にわたる堕落ぶりを描いた、組織と人間のドキュメント!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

29
JALの設立から倒産とその後の迷走(2012年まで)を歴代の経営者とその周辺の権力闘争をポイントにまとめた一冊。著者はノンフィクション作家のため、人間模様やドキュメンタリー作品のような臨場感のある書き方が上手いと思いました。よく言われる労働組合の乱立っぷり、政治家たちの間で弄ばれた様子(但し、JALも莫大な公的資金や融資の融通をしてもらっているので被害者というわけではないと著者はこの見方に否定的)も丁寧に書かれているので通説で言われていることについてよく分かった。2021/06/05

緋莢

20
2010年1月、会社更生法の適用を申請し倒産、公的支援を受けて企業再生を目指す事になった日本航空(JAL)。「国策企業」として設立され 航空行政に守られた日本航空は、運輸省の天下りを受け入れ、政治家たちの接待を行ない、社内には派閥が乱立、それぞれが利益争いを繰り広げてきた。経営破たんまでの60年の軌跡から、その堕落ぷりを書く。2016/07/04

モリータ

14
◆単行本2010年幻冬舎刊、文庫版(本書)は加筆修正して2016年講談社+α文庫刊。◆『沈まぬ太陽』のついでに読む。同著と同様、関係者ならびに当問題にかかるオッサン臭さには辟易。怪メールで人事に噛もうとした日経記者の自己顕示欲丸出しの文章はその最たるもの(177-184頁)。◆「負債総額二兆三〇〇〇億円を抱えて事業会社史上最大の倒産をしたJALには、その巨額の負債以上に大きな負の遺産があった 過去のしがらみと言ってもいい。親方日の丸体質と批判されたその〝寄らば大樹の陰〟の企業姿勢を引きずってきた。(続2023/03/30

Hiro

10
長年JALの迷走を追いかけてきた著者。政治家、官僚、機長、乗務員、一般職員それぞれが、半独占事業体の生み出すキャッシュにたかり続けてきた構図はよくわかった▼ ただ、過去の経営陣の政治対立とか、片方に肩入れしてもう一方を結論ありきでコキおろす書きぶりがどうも醜い。会社経営なんて、片方のやり方が正しいなんてことは無いし、それぞれ言い分があるもの▼要は空気を乱した方を酷評するのが、本として売れる、メシのタネになる、と皮算用しているようで、イヤらしい。2023/02/17

makimakimasa

9
為替や燃料のヘッジ取引による大失敗を、簿外債務として隠し通してきたツケが大きかった様だ。会長や社長がまともじゃなく、側近に殉死誓約書を書かせた人、告発文章や署名活動で退陣要求された人、それでも権力の座にしがみ付きクーデターを撥ね退けた人、とにかく社員の総スカンを食らって排斥運動に遭うパターン多過ぎ。謎の自殺者もいる。5万人を擁す大企業の派閥抗争に、9つの労働組合が入り乱れ、旧JAS社員は差別され、そこでもまた自殺者が出て…運輸族の亀井静香と古賀誠、個人筆頭株主の糸山英太郎など濃い面々も加わって泥沼の様相。2020/01/12

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