内容説明
千年の都はややこしいけど美しい。カリスマ案内人にして生粋の京都人である柏井壽さんが、京都の心を味わえる「ツボ」を紹介し、それらを愉しむことができる旅を提案します。混雑を避けて美しいさくらやもみじを堪能するこつ、花街に洋食屋さんがある理由、「祇園」をめぐる京都人の会話の妙、鬼門の鬼を封じ込める猿のこと、「ろれつ」という言葉の由来などなど。描かれているのは、季節のうつろいを愛おしみ、人との距離を大切にした暮らし。今も訪ねることができる不思議な物語があった場所。そして京都人が好きな、だからこそ旅行者にもおいしい食事のこと。――つまり、千年の都に潜む、識られざる面白いことや素敵なこと。京都通でも驚くような、古都の奥深さに魅了される本です。読めばたまらなく京都に行きたくなります。人気イラストレーター柳智之さんによるイラストも満載。ページをめくるのも愉しみです。また、地図、モデルコース、お寺やお店の情報も掲載。ガイドブックとしても使うことができます。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
83
京都生まれ、京都育ちの著者が描く京の都の素顔。食のツボ、地のツボ、しきたりのツボに分けて書かれている。京都は観光地としてとても人気がある。いつも人出が絶えない。一方では京都の持つ独特の文化やしきたりがとっつきにくい人がいるのも事実、その類の本も出版されている。全てを否定することもなくその理由についてもわかりやすく説明している。きつねとたぬきうどん、おばんざいという料理、珈琲、柴漬け、東寺と西寺、一見さんおことわり、他読み物としても楽しい。京のぶぶ漬けについてなるほど~。観光に行かれる方も一読をお勧め。 2017/11/01
みっこ
56
【京都本】京都予習用。鴨川食堂の作者さんが書かれた本。京都が本当にお好きで、京都出身なことに誇りを持たれていることがわかる。食のところは特に参考になりました。生麩やたまごサンド食べてみたい!あとイノダコーヒにも行ってみたい。最後のしきたりのツボはなるほどなと。京都人は怖いとか冷たいとかいうイメージがあるけれど、遠回しな言い方を優しさと捉えると、印象が変わりますね。2018/08/13
里季
54
面白かった。以前読んだ「京都ぎらい」という本と違って語り口が柔らかい。私は滋賀県大津市出身だが、大津というところは不思議に京都に似ていて(真似してる?)面白い。言葉はほぼ京都弁だし、門はきの心得、曲がり角までお見送り、おもたせの習慣は誰に教わることなく親や近所のおばさま方に見習って育ったし、祇園祭に似ている大津祭りもある。お祭りには家で鯖寿司を作るし、冷えたちらし寿司は蒸し寿司にして食べた。道は同じように碁盤の目。ろぉじの面白さも。もうすぐ京都市民になる私。京都を勉強しよう。2018/03/26
Book & Travel
32
今度京都に行く機会があり、観光情報以外の知識も多少増やしておきたくて手に取った一冊。生粋の京都人の著者が真の京都文化を紹介したエッセイである。食べ歩きが増えた錦市場や、本来各家庭の味であったおばんざいを売りにしたお店など、古来からの美徳を逸脱したことに眉をひそめ皮肉る著者。他地域を少しディスりながら、京都は本来こうなのですと語るのは京都人らしいと感じつつ、成る程と思う内容も多い。他にもしば漬けと寂光院の繋がり、屋根瓦の鍾馗様のいわれ、京都の珈琲文化など様々な歴史を知ることができ、とても興味深く読んだ。2023/12/10
サルビア
27
生粋の京都人だからこそ説得力のあるお話でした。食のツボでは京の食について、地のツボでは京の地について、しきたりのツボでは京のしきたりについて書かれています。京都に住んで3年ですが、苦労しているのはおつきあいです。京のぶぶ漬けの中で「一事が万事、京都人はこんなふうな物言いをして、直截的な表現を避けます。遠回しに言ってみて、それでもうまく伝わらないときは、嘘も方便です。中略 こういうやり取りを嫌味だととらえる方もおられるでしょう。けれどもこれは、長い間、狭い都にひしめき合うように暮らしてきた人々が円滑に暮らし2020/09/05
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