内容説明
日本帝国を盟主として企図した大東亜共栄圏、その鉄道と海運・港湾、航空の交通網はズタズタで、兵站・物資流通は確保できないままだった。膨大な史料から、台湾・朝鮮・樺太・満洲の植民地と東南アジアの実態を描き、共栄圏という侵略政策の虚構をあばく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更紗蝦
16
植民地を含めた大日本帝国の交通網がどのように発展し、どのような限界に突き当たったのかを解説している本です。あえて「交通網がどのように形成されなかったのか」に注目しているところが特徴的です。元々私は乗り物とか交通網にはあまり興味が湧かないので、読んでいて興味深かったのは郵便事情に関する記述と、「襲撃の対象としての鉄道」に関する記述でした。2017/10/25
ともたか
8
副題通り「つながらなかった大東亜共栄圏」。他所の国を引っ掻き回しただけだったのか?2016/08/17
ようはん
5
朝鮮・台湾・満州・中国・東南アジア・南洋諸島といった大東亜共栄圏の範囲に位置する近代日本の交通発展がテーマで鉄道や海運のみならず航空も扱っている。次第に軍部主導になりながらも交通網の形成には頑張ってはいたがそれでも戦争となると未熟な部分が露呈し物資不足に加え、中国のゲリラ攻撃や米国の圧倒的な戦力による交通破壊の前にはなす術もなかった印象。2019/08/22
Hiroki Nishizumi
4
大日本帝国の陸海空交通網の展開が説明してあり、感心しながら読んだ。副題につながらなかった、とあるが交通網ものものの要因で繋がらなかった訳ではなさそうな印象を受けた。マクロ的視野の戦略が欠けていたということか。2020/08/24
のりっく@泡沫戦史研究所(ワクチンうってもマスク・手洗い・うがい励行!)
3
戦前の日本支配下地域での鉄道、海上航路、航空路の発展状況など、興味深い話がいろいろあります。戦争が始まると輸送路は軍用物資最優先となり、東南アジアの産地ではイギリス、アメリカ向けの物資が滞留する一方で、日本にはその物資を輸送、消費する体力がありませんでした。著者は「大東亜共栄圏は砂上の楼閣」と結んでいますが、戦闘に勝っても産業の動脈硬化でやがては詰んでいたわけです。2019/02/23
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