なぜアーティストは生きづらいのか? - 個性的すぎる才能の活かし方

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なぜアーティストは生きづらいのか? - 個性的すぎる才能の活かし方

  • ISBN:9784845628049

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内容説明

才能を潰すことなく、末長く創作活動を続けるためにできること

アーティストには付き物の、破天荒なエピソードや空気を読まない奇行、遅刻や細部への異常なこだわり……。周囲からは“ 付き合いづらい”、“ 理解しがたい”と思われるこうした現象は、実は彼らの単なるワガママではなく、自閉症スペクトラムを始めとした生来備え持っている個性的な特徴が現れているのかもしれない。また、彼らの周囲の人もちょっとした固定観念を持っているせいでお互いに理解し合えないのかもしれない。本書では、元バンドマンでマネージメントの経験もある専門学校の新人開発室室長と、現役精神科医師が、そのような観点から“ 個性的すぎる才能”を活かす術を考えていく。アーティストとその周りの人間(家族やスタッフ、バンドメンバー)がお互いを分かり合えば、せっかくの才能を潰すことなく、末長くアーティスト生活を送れるはずなのだ!

目次

■はじめに 「生きづらさ」を抱えるアーティストたち

■第一章 「生きづらさ」の原因を探る
◎発達障害?「自閉症スペクトラム」「ADHD(注意欠如多動性障害)」
 「生きづらさ」を生み出す2つの特徴/発達障害の代表的な3タイプ/
 自閉症スペクトラムと自閉症、アスペルガー症候群/「自閉症スペクトラム」に共通する特徴/
 必ずしも医療が必要なわけではない/重要なのは苦手な分野/「世間話」が難しい理由/
 ADHDに見られる3つの特徴/ADHDと自閉症スペクトラムの重なり合い

◎4つのタイプで考える
 万能タイプとうつ病予備軍/自己愛タイプ/ADHDタイプ・自閉症スペクトラムタイプ

◎第一章のあとがき 個性的だからこそアートが生まれる

■第二章 音楽の現場でのトラブル・シューティング
◎時間を守れない--時間に対する感覚の違い
 いっぱい喋る、もしくは全く話さない/時間の感覚ではなく、キリの良さで判断している/
 事前に情報を入れておくのが大事/苦手なことを強要すると、本来の才能がスポイルされる

◎「こだわりの強さ」との付き合い方
 「コミュ障」は医学用語か?/新しい提案を受け入れられない/
 「新しいこと」が苦手? 100か0か?/約束には定期的に見直しの可能性があり得る

◎事前の説明が大事
 「空気を読めない」ということ

◎苦手なことはやらない方向で考える

◎第二章のあとがき それは「わがまま」なのか


■第三章 多様性が音楽業界を救う
◎人口の10%は自閉症スペクトラム
 友達なんか要らない?/すべての人が同じ社会の中で生活する=インクルージョン

◎ダイバーシティ(多様性)を担保するためにできること
 音楽業界にもインクルージョンを/少数派の中の多数派と少数派

◎大切なのは「システム」よりも「人」と「作品」

◎叱られてもあまり学ばない「種族」

■COLUMN バックステージ・トーク 高階經啓

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さおり

65
図書館本。私が気軽に言いたいことを言える唯一のお医者さん(発達障害の専門医)が、最近本田秀夫さん推しなので、図書館で「新しい本コーナー」に置いてるの見て借りてみました。アーティストの中には発達障害の人が多いみたいやし、こんな風に付き合うとどうかしら?せっかくの才能、うまく活かしてあげなもったいないし。みたいなことを書いた本でした。実際に講演会で対談したのをまとめたみたいで、気楽に読めました。そういえば本田さんの新書積んでるから、そのうち読もう。2016/07/06

ヤマセミ

6
「普通の人ががまんしてできることを無理してやると、命が削られるような感覚」それほどだったのかと、深刻な状況がよく伝わってきた。身の回りのへんな人、困った人は実は、発達障害とか自閉症スペクトラムとかかもしれないなあと思った。2018/01/24

nizimasu

6
いわゆる発達障害の本。ミュージシャンの中には他者とのコミュニケーションがとりにくい人がいるというのは経験上わかっているんだけどそれが実は結構発達障害の人もいるよねという点から実際の症状の人といかに付き合うか本人にも納得してもらうかと行った臨床的なテーマの本でした。ちょっとわがままな人の激しい感じなんだけどアスペルガーなどの症例などを参考にしつつでも結構才能発揮しているしなあという著者や現場の声を交えつつで興味深い内容です。アーティスト気質みたいなものとは関係ないです2016/06/16

robamimim

3
普通の人から発達障害を観測するとこうなるのかな。アーティストが対象だけど、1つの事を続けるのがまったく苦ではなく気がついたら想像を絶する時間を突っ込んでて、いつのまにかプロになってたという感じはわかる。それと引き換えに社会性を失ってしまうんだよね。。。もっと相互理解が深まってくれたらと思う。1つのことに全身全霊を尽くす人が生きられる社会であってほしい。2019/11/17

しのっこ

2
自分の解釈としては、下記の通り。世の中には、『普通の人であれば分かる人情・筋のような曖昧な暗黙の了解的なものが分からない』『1つのことに物凄くこだわり、何度も繰り返すことが苦にならないが、それを変えることが苦手』といった特徴を持った人達がいる。著者の推測では10人に1人。そういった特徴が少ししか無い人達は日常生活にそれほど支障はないが、強く出る人達は周囲の人達とトラブルを起こすことがある。アーティストにはそういった人達が多くいる。 (続く)2019/10/07

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