内容説明
東南アジアでもっとも成功した金融マネージャー北川が、シンガポールのホテルで転落死した。自殺か他殺か。同時に名門スイス銀行の山之辺が失踪、1000億円が消えた。金融洗浄(マネーロンダリング)、ODA、原発輸出、仕手株集団、暗躍する政治家とヤクザ……。名門銀行が絶対に知られたくない秘密、そしてすべてを操る男の存在とは? 国際金融情報小説の傑作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三代目 びあだいまおう
270
税金で大事な金を持ってかれたくない気持ちはよくわかる。これはいかに金を集め、税金逃れをし、マネーロンダリングでガッポリ儲けようと企む輩たちの欲望が複雑に絡み次々と関係者が死んでゆく金融ミステリー。厚みはあるが、文章表現が平易で、中心舞台のシンガポールの様子もリアリティーがあり読みやすい。ハゲタカシリーズの興奮には及ばないけど、裏社会で暗躍する者たちの駆け引きや情報戦、男と女の関わり合いなど展開もスピーディーで楽しく読了。勉強にもなる!私はリスクを伴う大金や儲け話は興味ない!でもそういう本は好きだな‼️🙇2019/02/03
KAZOO
125
橘さんの「マネーロンダリング」に続く国際金融の裏側を主題にした小説です。黒木亮さんの小説にエンターテイメント性を加えたものです。高校時代に同級生であった男性二人と女性一人が主人公となっています。それぞれの道を歩んできていますが、金をめぐる事件がシンガポールで起きてそこにスイスの銀行や北朝鮮がからんだりあるいは暴力団、政治家とかなり幅広い物語となっています。結構楽しめました。やはり作者はかなり勉強されていると思いました。2024/10/31
chiru
107
おもしろかった!! 一気読み。 租税回避地シンガポールが舞台の金融サスペンス。 バンクとウォッシュマネーの内幕を描く。 金融界に精通した主人公が悲劇のドミノ倒しを止めるべく物語を力強く引っ張り、マネーロンダリング、ODAマネー、原発輸出計画、北朝鮮核開発などワールドワイドでスリリングな展開を繰り広げる。 折衝術を駆使して大物フィクサーと渡り合うシーンが圧巻。 後半、情報力に溺れる者、返し刀で命を落とす者などばたばた人が死んでいく中、青春、友情、恋愛絡みの着地というのがよかったと思う。 ★42018/11/15
サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥
87
辣腕ファンドマネージャーがシンガポールのホテルで謎の転落死を遂げた。かつての級友との縁で、事件に巻き込まれていく牧島と古波蔵。銀行から消失した1000万ドルの謎、マネーロンダリング、暗躍する裏組織。警察、検察特捜、公安部までが入り乱れる。ミステリーでもあり、経済小説でもあり、お約束のロマンスもありのてんこ盛りの内容。いささか詰め込み過ぎの感はあるし、リアリティという意味ではどうなのとも思うが、エンタメとして割り切って読むと面白い。初読み作家さんでしたが面白かったです。★★★★2016/06/02
肉尊
60
佐藤優氏を「過去数年に読んだインテリジェンス小説で一番面白い」と言わしめた国際金融小説。タックス・ヘイブン(租税回避地)であるシンガポールの実態や日本税制の抜け穴をテーマに個性あふれるメンツが繰り広げる壮大なストーリー展開。謎を解いていくというよりも、人と人の繋がりを通じて話がどんどん展開していく感じ。最後までもやっとするのは、おそらくヒロインを箱入り娘のままで守り抜いている点なのだろう。それを愛とみなすか、はたまた試練か。真実を明らかにしきれない部分が、まさにこの世界の闇を表しているのだろう。2022/11/29
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