内容説明
日本を覆う「嫌中」。中国に燻る「反日」。「暖かい春の旅」と呼ばれた胡錦涛訪日後も、国民感情が冷え込んだままの日中関係。そうした閉塞状態に、新風を吹き込む作品が誕生した!本書は、現役の中国特派員が手がけた、生の「日中関係論」である。筆者の藤原大介記者は2003年秋、「史上最年少の特派員」として、JNN(TBS系)北京支局に赴任。日中関係が激動し、中国が飛躍的に発展した過去5年間、中国報道の第一線で活躍した。流暢な中国語を操る、若きチャイナ・ウォッチャーだ。日本国内で中国関連の本があふれる中でも、本書はひと際異彩を放つ。なぜなら、収録された原稿の大半は、まず中国語で書かれ、中国の雑誌に掲載された経緯がある。しかも、人権問題やチベット問題など中国の「陰の部分」、反日デモやギョーザ事件など日中の「敏感な問題」に真正面から斬り込んだ上で、中国人の幅広い共感を得た。この前例のない「中国生まれの中国ルポ」が今回、日本で日中対訳版として生まれ変わった。
目次
胡佳のこと
透明な取材環境を
感情に囚われた歴史問題
歴史論争に欠けているもの
中国の試練―中国製品の品質問題
待ったなしの中国環境問題
北京五輪がやってくる
多様化する中国
検証 ギョーザ事件
四川大地震で感じたこと
価値観の衝突―チベット問題
広島と南京
「暖かい春」後の日中関係
五輪が残したもの
「チャイナ・ドリーム」
中国社会科学院での講義
私の「北京大学」
著者等紹介
藤原大介[フジワラダイスケ]
1976年12月、鳥取県生まれ。広島大学法学部卒業後、RCC中国放送に入社。2003年10月よりJNN(TBS系)北京支局特派員。6か国協議、安倍・福田訪中、スマトラ沖地震、第17回共産党大会、四川大地震、北京五輪などを取材。中国語堪能(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。