内容説明
弥助は十二歳。養い親である按摩、千弥と共におんぼろ長屋暮らしをしている。貧乏ながらも平和な毎日を過ごしていたが、ある夜、いきなり恐ろしげな烏天狗にさらわれ、妖怪奉行所に連れていかれる。悪夢を見た弥助が鬱憤晴らしに割ってしまった石が、子預かり妖怪うぶめの住まいだったというのだ。妖怪の御奉行に、「罰として、新たな住まいが見つかり、うぶめが戻るまで、うぬが妖怪子預かり屋になれ」と命ぜられる弥助。それからというもの、次々と家にやってくる子妖怪達に振り回される日々が始まるが……。心あたたまるお江戸妖怪ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
108
人間の子(弥助)と妖怪の子供たちのドタバタが愉快です。 作者の廣嶋さんが生み出した妖怪たちの姿と特徴が楽しいのです。これには可愛い挿絵も一役かっています。 弥助の養い親・盲目の千弥と過去と弥助を養うことになった経緯に少し胸が痛みます。この二人の素性が人情に厚い長屋のおかみさん連中に明らかになり、今後おかみさんたちがどのように絡んでくるのか楽しみです。2021/12/07
hirune
76
【Kindle】子を預けに来るいろんな妖怪が面白い、けど 梅ばあは梅干しをくれたのに、他はお礼はないんだね?朱刻の子は卵のまま返却で残念、一抱えもあるフワフワのひよこちゃん見たかったなぁ?久蔵は意外に世話焼きな良い奴で 手助けもしてくれるのに、千弥と弥助から結構酷い扱いでちょっと可哀想ですね?朝ドラのまんぷくの世良さんみたいなイメージ?かな☆2019/01/23
papako
74
たまたま手に入って。楽しかった。江戸の町で暮らす按摩の千弥と子供の弥助。なんだか訳ありな2人。そして弥助が白い石を壊したことから物語は動き出す。この方の銭天堂の子供のちょっと黒い雰囲気を感じたけど、だんだん霧が晴れるように楽しめました。声が出せない弥助が妖怪達の子供を預かり守っていく。声が出せない悲しい理由が明らかになり、千弥の秘密も少し明かされ、どんな風に世界が広がっていくのか楽しみ!2020/07/28
ううち
74
表紙が可愛かったので購入。妖怪の子を預かるお話ですが、弥助が一生懸命で可愛らしい。 弥助には甘々の美坊主・千弥、チャラ男?の久蔵のキャラも好き。テンポが良くでサクサク読めました。そして私もモフモフさせて欲しいです!妖怪募集していたけど、2巻で出てくるのかな?2018/06/13
はにこ
71
初読みの作家さん。出てくる妖怪の子供が可愛らしくてほっこり。巻頭で紹介されている梅ばあのビジュアルにもやられた。目が見えない千弥、口がきけない弥助の理由が意外だったけど、とても良くできている話だと思った。愛せるキャラクター達だったので続編を是非読みたい。2020/08/06