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内容説明
発明の対価とは? 戦略は合理的か? 製品ライフサイクルや経験曲線は本当? T型フォードはなぜ売れなくなったのか? 仕事の報酬とは? 通説をふまえ経営学で考えるとどう見えるのか,道筋を立てて丁寧に解説。著者のテイストが光る議論が凝縮されたテキスト。
目次
第1章 プロローグ─経営学で考えると
(青色LED訴訟,経営学的な五つの視点ほか)
第2章 成功した理由
(成長の後に,PPMの基本構造,PPMで何をしたのか?,学習曲線の秘密ほか)
第3章 じり貧になる理由
(製品イノベーション,A-Uモデル,工程イノベーション,硬直化した生産システム? ほか)
第4章 意思決定の理由
(近代組織論的組織観,組織の合理性,能率の原則,「組織の合理性」は事後的な言い訳,高い未来係数と終身コミットメントほか)
第5章 協調する理由
(協調・裏切りゲームとしての囚人のジレンマ,コンピュータ選手権での「お返し」の優勝,未来傾斜原理ほか)
第6章 働く理由
(働く人の言い訳,金銭的報酬の理論,金銭的報酬の迷信ほか)
第7章 社会人のためのエピローグ─仕事の報酬は次の仕事
(『虚妄の成果主義』,ありのままの日本企業,「今の仕事」ではなく「次の仕事」ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
94
大学で学ぶ経営学にしては体系的でなく、社会人になって学ぼうという意識のある人が読むにはちょうどいい感じの内容になっています。辛口的に言うと若干対象がはっきりしていない気がします。それぞれの章ごとの内容は結構あると感じますが連携があまりない気がします。もう少しまとめてくれるといい気がしました。2016/08/17
しゅー
3
★★もう少し軽い読み物を想像していたのだが、切り口の面白い経営学の教科書といったところだった。エピローグやあとがきから読んだほうが本書のテイストがわかるかもしれない。内容は組織や組織における個人の行動に関するテーマが多いのに、序章がいきなり知財の話から入っているのが少しミスリードに感じたのだ。他の方の感想にもあるとおり、少しクセのある書きぶりだから好みが分かれるかもしれない。「ゆでカエル」の話とかホーソン実験の裏話は個人的に面白かった。数式も登場するが、普通の読者は要点のみをつまみ食いして大丈夫だと思う。2023/01/31
トルネードG&T
2
経営学の入門的書籍。著者は戦後日本伝統の経営組織を支持する立場にあり、欧米で生まれた経営理論とその実例としての欧米企業との比較の中で伝統的な日本企業における組織体制の長所を明らかにしていく構成となっている。一貫したストーリーラインがあり理解しやすい一方、冒頭で紹介される経営理論は後々「ダメなことがわかった」として否定されるものも含まれるため注意深く読む必要がある。2017/03/28
トルネードG&T
0
2018年初の読了は経営学の再々読。三度目ともなるとそろそろ内容を覚えられるようになる。初読の時は難しく思えたが、実際には話が込み入っているのは第一章のライセンスビジネスの話だけで、後半になるほどエピソードもおおく分かりやすくなってくる。2018/01/07
トルネードG&T
0
再読しつつノートとり。理論の詳細を中心に復習。「未来係数」と「見通し指数」の定義の違いなど書いてみてわかることも。2021/02/09