内容説明
柴崎令司警部は、今回も綾瀬署を離れることができなかった。その一方で、同世代のキャリア・坂元真紀が署長に着任。現場経験に乏しいコンビが誕生してしまった。職務にまつわる署内の不祥事、保護司による長男殺しの闇。そして、女性店員失踪事案の再捜査が、幾つもの運命を揺さぶりはじめる――。ミステリ×人間ドラマの興奮。日本推理作家協会賞受賞の名手が描く、警察小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サム・ミイラ
122
ガッツリした警察小説が読みたくなり書店お薦めのこちらを購入。大正解!期待通りの面白さ!捜査員でない警務課の課長代理がその意に反して綾瀬署に持ち込まれる困難な事件を解決する物語。そのストレスはかなりの物でこれってどこか影の季節の二渡調査官に似てるような。さらにはこの主人公元は警視庁の花形セクション総務企画課に籍を置いていたが、ある事件の引責左遷で飛ばされた人物。これは隠蔽捜査の竜崎伸也みたい。つまりこの二つの良い所を合わせたような展開でサラリとしかし読み応えある新感覚の警察管理部門短編集。2015/05/09
ゴンゾウ@新潮部
112
「撃てない警官」の続編。所轄の警務課にとばされた柴崎がキャリアの女性警察署長 坂井真紀に振り回される。所内で起こる警察官の不祥事にキャリア署長と現場の警察官の間に挟まれて苦労する。小説の内容自体は面白いが柴崎に隠蔽捜査シリーズの竜崎のD県警シリーズの二渡のような正義が感じられない。主人公が際立つともっとよくなるんだけど。2016/10/12
ノンケ女医長
108
ぞっとするタイトル。不祥事に苦労する現場の混乱を期待して読んだけど、どうにも…という感じ。表紙に描かれる署長は、36歳の女性警視。赴任先で、どうも部下と上手く行かない。経験の浅さ、判断根拠の淡さに署員全体が苛立っている感じは、なんとなく伝わった。些事に責任を取らされて退職した署員の無念さや、警察本部と所轄の対立などがもっと生々しく描かれていれば、新署長の個性が際立ってスリルもあったのでは。2024/08/17
Yunemo
107
まず、面白かったと一言。それにしても前作以上に、警務畑の柴崎氏が、これほどまでに刑事畑に首を突っ込むなんて。重ねて、新署長と現場経験に乏しいコンビになってしまうなんて。でも、元を辿れば署内の不祥事から拡大していく事柄、これを丹念に追うことから始まっている。警察内部事情と人間模様が、いつの間にか事件解決への道となっていく、この辺りが深化していくミステリとして、派手さもなく逆に地味ながら、読み手である自身の気持を巻き込んでいくのでしょう。それにしても宮仕えは大変だ。しみじみ思って読了、というのが本音でしょう。2014/07/16
KAZOO
103
綾瀬署に飛ばされた主人公は刑事ではなく警務を担当する人物ですが、どうしても事件に巻き込まれてしまいます。そこの新しい署長が赴任してきます。キャリアで主人公とほぼ同じ年代ですが女性でバツイチの独身です。署長とほかの刑事たちとの間に挟まりながら事件を解決していく糸口を見つけていきます。5つの短編が収められていて楽しめました。2021/08/21
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